人生の達人?
            
            

     おばあちゃん アクト 22......− 夜のストレンジャー −



こんばんは〜!!おばあちゃん〜!

来ましたよ〜♪


こんな時間に私たちが来るなんて

きっと驚きだな〜・・おばあちゃん。


な〜んて期待しながら遊びに行ったけど・・

おばあちゃんの家は、もぬけの殻で・・

待てど暮らせど帰ってこない・・?

驚いたのは、私たちのほうでした。


家族A: こんな夜歩き・・・健全なおばあちゃんのすることじゃないよな。


時計を見たら、10時を過ぎています。

じゃ〜・・とあきらめて帰る道・・


前方の暗闇から

頭に、バンダナ巻いて足元のちょっと危なっかしい?

怪しげな人が路地を歩いてきました。


お〜!!!!


なんだかすごい存在感!!

暗くて誰かはわからないけれど

只者じゃないことは良くわかる!


家族A: あれ?なんか怪しい人だねえ〜・・

家族B: ん〜・・なんだかね〜・・誰だろう・・?

と話をしている私たちにだんだん近づいてくるその人・・


え〜!!!


まさか!!え???おばあちゃん???!!!



キリリと巻いたバンダナ!

抱えた大きな包みは洗面器??


両足をしっかり広げて

ゆるい傾斜の道を

足を一歩一歩

黙々と確かめるように歩いている人は

おばあちゃん、その人でした!


おばあちゃんの楽しみは

お風呂屋さんで、みんなに出会うこと。


おばあちゃんの住んでいるところは

下町で・・

おばあちゃんの住民歴、なんと60年ゆう余年!


町を知らない私にも

懐かしい匂いのするところです。


足は、多少?おぼつかなくても・・

しっかり98年の重みをもって踏みしめる

足取りの確かさは

真似できません〜〜〜!


そして

その98年の重みを超える

気迫をまとい

なんだか颯爽と見えてしまうおばあちゃん!!


おや、まあ〜そうですか。


すみませんね〜。また来てね〜!


じゃね〜!


そんな声を残し

手を振りながら去っていく

おばあちゃんの背中に見とれ・・

ボーっと立ち尽くすだけの私たち。


よっ!かっこいいよ〜!!!

おばあちゃん!!!!



心意気だよ人生は!


そんな声が

聞こえるような・・聞こえないような・・


98年の人生を生きてきた!



さすが明治の女!!

さすがおばあちゃん!!!




いよっ!!おばあちゃん!


路地裏が

まるで舞台の花道のようで・・


ただ佇み見送るだけの

修行の足りない私たちでした。






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