人生の達人?
  


.......おばあちゃんアクト37..........-二人でお茶を- 


おばあちゃんは、長年お茶を習ってきました。
長い間ですが、それがどのくらいかは分かりません。

お茶が大好きなおばあちゃん!

そういえば、柏餅
昔、良く買ってきてくれたなあ〜と思い出し
柏餅をお土産にすることにしました。


おばあちゃん、今日は柏餅を買ってきたよ。

お抹茶を点てようね。



柏餅〜?

と、言ったきり
おばあちゃんは、黙っています。


おばあちゃん、きょうはお澄ましの日なの?

お話しないね〜


というとだまって頷くだけ。

どうしたのかな?


でも、柏餅を手にとって

美味しそうに食べています。


おばあちゃん、美味しそうね♪

私も食べちゃおう。



ベッドに腰掛けて

向き合って、柏餅を食べました。


お抹茶を二人で飲んでいたら

おもて?

とおばあちゃん。

裏だよ。

お互いに
ほとんどしゃべらないけど
窓からの風が心地良いです。


ふと、顔を向き合って食べるなんて
すごく珍しいことに気がつきました。

そういえば、いつも横にいた私。

向き合っていると何もしゃべらなくても
楽しいお茶の時間になるなんて
簡単なこと
気がつかなかった。


二人でいて
向き合っているだけで
素敵な時間。


ティー・フォー・ツー♪

二人でお茶を♪


こんなに素敵な言葉だったんですね。


きっとおばあちゃんにとっても、いい時間♪


体の力も抜けて

柔らかいお顔。

帰りの握手のとき

両手でそっと

握ってくれたおばあちゃんの手

ほんのり温かかったよ。




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