人生の達人?
  


.......おばあちゃんアクト43..........-手紙を書く- 


今日寝たきりになって初めて
おばあちゃんが鉛筆を持ちました。


とてもご機嫌だったし
片付けていたらクロッキーブックが出てきたので



絵を描いてみる?



と鉛筆と一緒に渡してみたのです。


なに書くの?


いや、わかんないけど。
何でも良いんじゃないの?



と言いながら見ていると

ちょっと沈黙のあと

思うように
鉛筆をしっかり握れないけど
でも、ゆっくりと
フラフラ鉛筆を揺らしながら
文字を書き始めました。



○○○○○○ じぶんです

いつも○○○○○

ありがとうございます


と書いてありました。
この○は、読めなかった字です。



おばあちゃん、「ありがとうございます」って書いているの?



ゆっくりうなずくおばあちゃん。

そうして、胸の前で手を合わせ
目を閉じて拝んでいるのです。

なんということでしょう。



このお手紙、みんなに見てもらおうか。

Mさんにも見てもらう?



嬉しそうにうなずくおばあちゃんに
何もいえなくなってしまいました。

なかなか思うようにお話ができないおばあちゃん。

こんなに長い文章で気持ちを伝えることができて良かったね。



おばあちゃんのお手紙は、私たちみんなの宝物になりましたよ。






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2009/5月
のある日