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研修部

 

東京速記士会

【東京速記士会平成30年度上期研修会報告】

 

 

 526()大井町駅前の「きゅりあん」にて、上期研修会が41名の参加者のもと行われた。

 

佐々木会長の挨拶から始まり、第Ⅰ部はジャーナリスト・作家の高橋俊一氏による「文章力を鍛える!~読む側に立った原稿づくりとは~」の講演。

 

まずは、自己紹介。毎日新聞、朝日新聞を経て、現在は日本大学で教鞭をとっているとのこと。(アメフトの話題もサラリとふれてくれた)

 準備していただいた例文(悪例と適切な文がありとてもわかりやすい)をもとに、良い文章づくりのポイントをお話しいただいた。

 高橋氏の教えは、文章を短くすること、やさしくすることが基本。とにかく削りまくる。

長いダラダラした文章を、文(センテンス)を短くして読みやすくする。不要な接続詞を省き、段落、句読点を適切に使い、読み手を疲れさせない。この点を例文を通してお示しされた。

 細かいキーポイントとして「常用漢字と現代仮名づかいを貫く」「カタカナ言葉が多すぎるのはNG」等々を説明。

 最後に、文章力を鍛えるには「長く書いて削る」のお言葉をいただく。新聞の社説を紙に書いて、削れそうなところを探すのも上達する方法の一つとのこと。

 

第Ⅱ部は株式会社
NHKグローバルメディアサービス・松隈天氏、須藤竜平氏、渡邊朱里氏による「字幕勉強会」の講演。

 松隈氏は、新聞社へ入社するつもりが、お父様の勧めでテレビ局へ入社されたそうです。

金メダリストやプロ野球選手との写真を披露された。

 NHKの字幕の取り組みの概要。総務省の指針などからこれからの字幕についてお話しいただいた。ちなみに日本で最初に字幕がついた番組は「おしん」とのこと。

 ドラマやバラエティー番組等の事前に収録する番組の字幕は「完プロ」といい、民放では「完パケ」というそうです。

 ニュース等の生放送は生字幕。生字幕は、3つ方式について説明された。

 渡邊氏は、主に完プロ字幕の制作について、実際の映像を使ってお話しいただいた。

完プロ字幕は、限られた時間で、一瞬で意味が伝えられるように作らなければいけない、センスが問われるクリエイティブな仕事です。各局でルールが異なるのが今後の課題です。

 須藤氏は、NHKグローバルメディアサービスの自主事業についてお話しいただいた。なんと日本で一番、生字幕を手がけてきたとのこと。落語、漫才といった劇場に来た方へ向けての字幕について説明され、実際に字幕入力している会社の方も紹介されました。

 

最後に副理事長挨拶で閉会。研修会終了後の懇親会では、Ⅱ部の方も3名参加していただき、非会員、会員との交流が活発に行われた。

★研修会の詳細は『速記時報』に掲載されますのでぜひお読みください。

研修部C.S.

 

【東京速記士会平成29年度下期研修会報告】

 去る11月18日(土)、大井町駅前の「きゅりあん」にて、下期研修会が45名という多くの出席者のもと行われた。

 佐々木会長の挨拶から開始。今回の研修会は、UDトークにより、佐々木会長の話からすべて会場前方のスクリーンにリアルタイムで字幕が表示された。その件について、研修開始前に、第Ⅱ部の講師・青木秀仁氏より説明があった。スマートフォンにUDトークアプリをインストールすることで手元でその字幕を見ることができる旨の説明があり、リアル感倍増で第Ⅰ部の講演に入った。

 第Ⅰ部は、電子速記研究会のメンバー4名による「裁判所速記官の仕事と『はやとくん』について」と題しての講演と実演。

 講演は、持木速記官により、裁判所における速記官の制度の始まりから現在に至るまでの変遷と、証人尋問に立ち会った速記官が電子タイプライター「はやとくん」を使って速記録をどのように完成させていくかについての説明。

 速記官制度が戦後導入され、1期(1954年)~48期(1997年)まで延べ1529人の速記官が養成されたが、現在は200人。

 速記官が立ち会う事件は、書記官、裁判官から立ち会いの依頼(速記要請)があったもの。民事事件では、複雑な事件または専門性が高い事件、刑事事件では否認事件、あるいは事案が複雑な自白事件などに立ち会う。依頼を受けた速記官がまず何を準備するか等、速記者でなくても知りたい非常に興味深い話が満載でした。

 実演では、加藤速記官から、機械速記のしくみと「はやとくん」についての説明。また、リアルタイムの字幕表示とともに、二人の速記官(名児耶氏、小海氏)による文字入力とその編集の様子がスクリーンに映し出された。

 したがって、教室前方には速記官による字幕とUDトークによる字幕の両方が表示され、比較して見ることができた。

 電子速記タイプライターは、ディアマンテという機種でアメリカのステノグラフ社から輸入するが、速記官が自費で購入。価格は約60万円。この電子タイプ購入を裁判所にお願いしていたが、ようやく来年度、30台分が予算要求されることになったとのこと。

 「はやとくん」に関心のある方は、電子速記研究会が年に1回「はやとくん」フォーラムを実施している。今年は1216日午後、浅草の国際セントラルホテルで開催予定という情報なども提供された。

 第Ⅱ部は、青木秀仁氏による「ユニバーサル対応アプリUDトーク~音声自動認識によるリアルタイム字幕~」。

 UDトークは、音声自動認識のアプリ。聴覚障害者の方との出会いをきっかけにUDトークを開発したとのこと。したがって、もともと聴覚障害者への情報支援のものだが、健聴者のための情報支援としても使えるし、情報は耳で聞くだけでなく、見ることによってより記憶にとどめておくことができるということの支援にも役立つ。

 研修会会場「きゅりあん」でも導入されており、スクリーンに青木氏の話はリアルタイムで表示されている。多言語翻訳も同時に可能で、英語も表示されていた。またそれを音声に出すこともできる。

 リアルタイム字幕の修正を行っている場所は長崎県。その記録は、時間情報とともにデータ保存可能。したがって音声データの検索もできるということで資産価値も出てくるという広がりのあるUDトークである。

 研修中、メガネ型ディスプレイを回覧して試用体験した。そのメガネをかけると、メガネの中に字幕が見える。映画館などで聴覚障害者向けの字幕として使用されている。

 途中、NHK番組「ろうを生きる・難聴を生きる」で特集された弁護士・久保陽奈氏から、難聴の裁判員候補者から相談されたときの話があった。

 その裁判員候補者が難聴のため、裁判関係の話を全部聞ける対応を要望したが、要約しかできないとのこと。会話の内容を要約して2、3割にまとめる要約筆記では、正しい判断はできない。それでは裁判員になれないことになる。これでいいのかというお話であった。

 青木氏も久保氏も、第Ⅰ部で行われた速記官の電子タイプライターによる文字起こしの素晴らしさに驚きの声をあげていた。青木氏は、組むべきは速記者ではないかと考えたとのこと、また久保氏は、ぜひ裁判員裁判の中でも活用していただけたらと意見を述べられていた。

 質問コーナーでは、セミナーにおけるUDトークの設定方法、保存方法等や記録保存のしかたなどの質問が続いた。記録をとる場合には「UDコネクト」という別のアプリがあるという話も加えられ、興味の尽きない講演であった。

 第Ⅰ部、Ⅱ部ともに、詳細は、次号の『速記時報』に掲載されるので、ぜひごらんいただきたい。

 研修会は理事長挨拶で閉会。懇親会では、速記官の方、青木氏、また非会員の方も参加され、大いに盛り上がってコミュニケーションが図られました。

【東京速記士会平成29年度上期研修会報告】

 去る6月3日(土)、大井町駅前の「きゅりあん」にて、上期研修会が22名の参加者のもと行われた。

 佐々木会長の挨拶から始まり、第Ⅰ部は、言語学者・井上史雄氏による「現代人の話し方の合理化~国会会議録と地方議会会議録の敬語を中心に~」の講演。

 豊富な資料をもとに、まずは速記との出会いから敬語殺人事件の話へと進み、本題の国会会議録と地方議会会議録のデータベースなどから見える敬語の変遷について、東北、関西、関東など地域差などを交えながらお話しいただいた。敬語が発達しすぎて「道草をくう」が「道草をいただく」になった話、メールで頻繁に出てくる「了解」と「承諾」の違いなど、聞き逃せない話が盛り沢山であった。

 第Ⅱ部、佐々木光子氏の「戦中・戦後の速記人生」の話は、ただ単なる体験談とはいえない。渋谷商業実践女学校卒業後就職した日本銀行時代、空襲の音がすると逃げた場所は地下3階。そこには金塊がそこらじゅうに置いてあったという。航空工業会勤務時代、座談会の仕事で先輩について各務原飛行場にいくと、出席者していたのは20人ほどの少年たち。家族に言い残すことがあれば話せといわれた特攻隊員たちであったという。

 戦争という時代のなかに身を置きながらの速記との出会いと速記者としての歩みのお話は、聞き逃してはいけない貴重な興味深いお話ばかり。ぜひ「速記時報」270号を読んでいただきたい。

 最後に理事長挨拶で閉会。研修会終了後の懇親会では、佐々木会長のお話に感動された井上先生も参加していただき、非会員、会員との交流が活発に行われた。

★研修会の詳細は『速記時報』に掲載されますのでぜひお読みください。

 

【東京速記士会平成28年度下期研修会報告】

 去る11月12日(土)、大井町駅前にある「きゅりあん」で下期研修会が行われた。参加者は43名で、名古屋や北海道からの参加者もあり、大盛況であった。

 佐々木会長の挨拶から始まり、第Ⅰ部は、「衆議院速記者の実務~音声認識を使ってみて~」と題して、現役の衆議院速記者である前野貴子氏による講演。

 衆議院速記者養成所が閉校されて10年になり、音声認識を導入後、現場はどうなっているのか、資料に基づきながら、会議録作成の流れ、反訳エディター「速手」を使用しながらの音声認識システムについて等、非常に興味深い話が満載。音声認識を使用することにより衆議院記録部の役割分担のなかに「臨場者」という新たな役割が加わったとのこと。結論として、音声認識システムは導入されたが、原稿の品質向上については、調査、精読等、人的作業によって図られ、やはり時間はかかる、などのお話がありました。

 途中で、研修会の数日前にフジテレビ(「みんなのニュース」ケイゾク)で放映された衆議院記録部の様子もDVDで披露。クイズなどを取り入れながら、楽しい講演となり、質疑も時間ぎりぎりまで活発に行われた。

 第Ⅱ部は、電通通信大学名誉教授による「人工知能(AI)の現状と未来~AIに負ける仕事、負けない仕事~」。将棋や囲碁、チェスにおけるAIとプロとの戦いで、プロが勝つか、AIが勝つか。かつてはプロが勝っていたが、最近では、ディープラーニングという学習法によって膨大な情報量を持つAIが強いとのこと。東大を目指す「東ロボくん」のお話、AIシステムの仕組みの説明、レンブラントの情報を入力したAIシステムに描かせた絵は、レンブラント調の非常に優れたものになっているというお話、AIに負ける仕事、負けない仕事の話も含めて、最後に、音声認識システムの仕組みについての説明があった。残念ながら時間切れとなってしまい、質疑の時間もとれなかったが、いただいた講演資料をぜひご一読願いたい。非常におもしろいものになっている。

 最後に理事長挨拶で閉会とした。

 研修会終了後の懇親会は、両講師も参加していただき、講師、非会員、会員とのにぎやかな非常に楽しい意見交換の場となった。

★研修の詳細については、次号の『速記時報』に掲載されますので、ぜひお読みいただきたい。

 

   【平成27年度下期研修会報告

 平成271122日(日)、早稲田速記医療福祉専門学校7階研修室で下期研修会が行われました。連休の中日にかかわらず、32名の参加者がありました。

 畠山理事長の挨拶のあと、第Ⅰ部は、薄葉威士氏による講演「インテルステノ今と昔」。インテルステノが「第1回国際速記会議」としてロンドンで開かれたのは、1887年のこと。このとき、我が国からも参加している。第一次大戦、第二次大戦で中断はあったが、平成27年7月にブダベストで行われた大会は通算50回目になる。その大会の分科会で映像配信事業について英語で報告した薄葉氏が、インテルステノの歴史について、また現在日本でどんな形で字幕付が行われているのか等について語られました。

 そのあと、佐々木会長がインテルステノに参加されたときの思い出を披露。参加されたのは、1979年の第33回ベオグラード大会、1981年の第34回マンハイム大会、1985年の第36回ソフィア大会、1989年の第38回ドレスデン大会。インテルステノでは多国籍速記とタイピングの競技もあり、優勝すると、ヨーロッパでは給料が5割アップするという話もあるとのこと。それだけ一目おかれている。ドレスデン大会のときはちょうどベルリンの壁崩壊の年で、インテルステノにおいても東と西の人たちが抱き合っていたとか、世界の激動の一端を垣間見るようなお話で興味深いものでした。

 これらの第Ⅰ部の話をすべて、隣でリアルタイムで文字通訳されていました。お二人での入力作業でしたが、ほとんど間違いなく、簡潔に文字化されており、参加者の皆さんは感心することしきり。

 第Ⅱ部では、その文字化してくださっていた宮原都子氏が「リアルタイム文字通訳」というテーマで講演。筑波技術大学の先生が開発したというシステムについて、文字化におけるポイント、間違ったときの対処、わからない言葉が出たときの対処等、貴重なお話を聞くことができました。

 なお、『速記時報』2015冬号にこの研修会について詳細に掲載されているので、ぜひお求めいただきたい。



   【東京速記士会創立60周年記念特別講演会 終了!】

 去る5月30日(日)、アルカディア市ヶ谷(私学会館)で行われた、芥川賞作家・辻原登氏による創立60周年記念特別講演会は、85名の参加者のなか、大きな感動をもって終了した。

 はじめに佐々木光子会長の挨拶があった。今年で90歳になられるという佐々木会長は、速記以外の方々の前での挨拶は初めてということで、戦前と戦後のご自身の経験されてきた時代の変遷と、その中で歩んできた速記の歴史とその役割を語られ、感銘を受けた方も多かったのではないかと思う。

 それを受けた辻原氏の講演の第一声は、「佐々木会長のお話を聞いて、演題は“文化の裏に速記あり”だが、文化の表にも速記はあったのだと思いました」とのこと。

 辻原氏の講演は、まずは『円朝芝居噺 夫婦幽霊』創作にまつわるお話。これが幅広いところからの解説で、古代ギリシャから、江戸、聖書、世界の文明へとつながっていく。

 また、中国から来た漢字と日本語とのつながりにおいては、『古事記』がどんなふうに書かれているか。20年かかって書かれた『古事記』の最初の部分は中国人にも読めるが、あとはだんだんと読めなくなったという。それは日本人が漢字を使ってつくっていった“日本語”で書かれているからである。当時もし“日本語”がつくられなかったら、『源氏物語』も『雨月物語』も『円朝芝居噺 夫婦幽霊』も存在しなかったと辻原氏はいう。じっと息をひそめて聞き入らずにはいられないような講演であった。

 実際、参加者は感心することしきり。あまりに感心するので、途中で辻原氏も「そんなに感心しないでください。私も勉強したんですから」との一言。ここで会場大笑い。

 お人柄が滲み出る真摯な語り口で、そのなかにユーモアもあり、瞬く間に2時間が過ぎてしまった。

 佐々木会長の挨拶と辻原氏の講演内容は、次回の「速記時報」夏号に掲載される。ぜひご一読いただきたい。

 参加された皆さまに深く感謝申し上げます。

 また、お申し込みをいただきながら定員オーバーのためお断りせざるを得なかった方々には、深くお詫び申し上げます。

 どうもありがとうございました。

 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。



【東京速記士会平成26年度下期研修会報告】

 去る11月29日(土)、下期研修会が22名の参加者で早稲田速記医療福祉専門学校にて行われました。

 畠山理事長の挨拶で始まり、第Ⅰ部『体験 速読!!』は、久保早耶華氏と板橋玲氏による速読セミナー。板橋氏による速読についての解説のあと、インストラクターの久保氏の指導のもと、4~5人のグループに分かれて、パソコンを使用しながらのトレーニングが始まりました。ゲーム感覚で目の動きのトレーニング、そして脳のトレーニングで速読に一歩前進。速読とは、文章をかたまりで読む、つまり「視読」とのこと。一日でできるものではなく、毎日の練習が必要で、そのためには文章をたくさん読むことが欠かせないとのこと。年輩グループ、ちょっと若いグループ、5組のグループがそれぞれ仲間意識を発揮しながら、和気あいあいのにぎやかなセミナー、速読トレーニングの効果で、たとえわずかでもそれぞれ明晰な脳になったのは確かです。

 第Ⅱ部は、酒井邦嘉氏による『推敲・校正は、やはり紙で~脳科学の視点から~』。

 生涯にわたる読書や学習の蓄積は、脳を創る。では、紙の本と電子書籍ではどう違うのか。電子書籍の画面はどれも同じように表示されるが、紙の本には、脳が記憶した厚さや質感、行間や書体など、五官に訴えてくる情報がたくさん詰まっている。それが本の内容を理解する上で重要な手がかりとなる。その手がかりが少なくなると、記憶が曖昧になったりミスを起こしやすくなるという。デジタルによる保存は実は脆弱であり、紙による保存は数百年残るとのこと。電子書籍を否定するわけではないが、紙の本の重要性を話されていました。

 1210日(水)NHKのクローズアップ現代「もう本は要らない? 急増する“読書ゼロ”」に出演されるので、ぜひご覧いただければと思います。

 また、酒井先生は、自分の講演の話し言葉そのままの文字おこし原稿は困るとの話もされていました。見逃せない一言でした。

 下期研修会は佐々木会長の挨拶で終了。懇親会へ移動しました。