鳥さんの防災対策について



日本は震災大国です
地震・津波・台風・水害・土砂災害・火山噴火などの自然災害は
同じ場所で繰り返し起こっています。
加えて最近ではテロや工場爆発などの人災も起こっています。
こういった災害を他人事とは思わずに、
ご自身とご家族、そして一緒に暮らす鳥さんたちを守るために
防災についての理解を深め、正しく備えましょう。

震災時の避難について

災害時、環境省はペットとの同行避難を推奨しています。過去の災害において同行避難出来な
かったペットに以下のような事例が多数発生したためです。

・保護をするために多大な労力と時間を要した。
・保護するまでに負傷、衰弱、最悪の場合死亡する恐れがある。
・不妊去勢処置がなされていない場合、繁殖により増加することで
  住民の安全や公衆衛生上の環境が悪化することも懸念される。



 しかし、避難所がペットの受け入れに対応しているかどうかは、各自治体によって異なりま
す。対応がまだまだ進んでおらず、受け入れ可能な避難所はごく一部に限られているのが現状
です。ご自身の地域の避難所がペット(特に鳥さん!)の同行避難に対応しているかどうか、
ぜひ自治体に問い合わせてみましょう。多くの声が集まることで、自治体は対応しやすくなり
ます。



↓ペットとの同行避難に関してもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「環境省ホームページ」より 災害時におけるペットの救護対策ガイドライン


避難所での生活
 避難所には鳥さんが苦手な方やアレルギーの方もいます。周りの方の迷惑にならないよう鳴
き声や糞、羽、フードの飛び散りへの対策も考える必要があります。また、同行避難が認めら
れた避難所であっても、飼い主さんと同じ部屋にいられるとは限りません。避難所は学校や公
民館などが指定されている場合が多いため、基本的に居住のための空間ではないということを
認識しておきましょう。夏は暑く、冬は寒いです。また、被害の状況によっては電気・水道・
ガスなどのライフラインが寸断されることもあります。
 避難所では飼い主さんも鳥さんも心身ともに不安定になるため、体調を崩しやすくなりま
す。鳥さんは暑さには比較的強いですが、体調が悪いときには保温が必要になります。電気や
ガスが使えない場合の保温方法も考えておく必要があるでしょう。



以下は避難所で鳥さんと安心して避難生活を送るために日ごろから準備しておきたいことで
す。また、周りの方への配慮も忘れないようにしましょう。

・大きな声で鳴かない、咬まない、おいで、ケージに入るなどの基本的なしつけ
・ケージやキャリーに長時間入ることに慣れる(放し飼いや長時間の放鳥は控える)
・自宅以外の場所に連れて行くことに慣れる
・避難訓練、実際の避難経路をケージやキャリーに入れて一緒に歩いてみる
・避難所への避難以外にも、親戚や友人など、鳥さんの一時預け先も探しておく
・個体識別の措置
(足環の番号を控えておく・中型以上の鳥さんはマイクロチップの装着も可能だが、
リスクもあるため獣医師とよく相談する)
・鳥さん用の防災用品セットを用意する(年に1度は確認する)


鳥さんの防災用品セット例

フード(多めに用意)
避難所に鳥さんのフードが備蓄されていることはまずありませ
ん。人の食品はすぐに配給される場合が多いですが、ペットフ
ードはかなり時間がかかります。鳥さん用であれば最悪配給さ
れないことも考えられるため、慣れたフードを多めに用意をし
ておきましょう。普段ペレット食の鳥さんでも、環境の変化で
食べが悪くなることもあります。シードや嗜好性の高いフード
も合わせ用意しましょう。鳥さんの好きなものを把握し、粟
穂、カナリーシード、オーツ麦、ひまわり、麻の実などを用意
しておくと良いでしょう。

飲用水
水は硬度の低い日本の軟水を用意しましょう。硬度の高い硬水(主に海外製品)を与え続けると、内臓に負担をかける恐れがあります。水道水が使えるようになればそちらが一番望ましいでしょう。
(ヨウム・オオバタンに限り硬水を用意しましょう)

使い慣れている
ケージやキャリー
普段から放鳥は長くても1時間にとどめ、ケージで落ち着いて過ごせるようにしておきましょう。ケージは閉じ込めておく場所ではなく鳥さんが安心して過ごすための空間です。また、キャリーに慣らしておくと移動や通院のときにも役立ちます。

ケージやキャリーを入れる
バッグや袋
防寒性のあるもの(保冷バッグなど)が良いでしょう。

目隠し・保温
のための布
保温効果を高めるためにフリースなどで覆うと良いでしょう。また、暗くすることで無駄鳴きを防ぐことができます。段ボールでも応用可能です。

食器
すぐに避難できるよう、避難用のケージやキャリーにあらかじめセットしておきましょう。

ガムテープ(布テープ)
ケージの扉の固定やケージの補修など多用途に使用可能です。

ケージやキャリーの扉を
固定するナスカンなど
逃亡防止のためです。
特に自分で扉を開けてしまう鳥さんには注意しましょう。

鳥さんの情報を
記載したもの
鳥さんの名前、誕生日、性別、飼い主の連絡先、
病歴、かかりつけの動物病院など

もしも迷子になった
時のためにポスターを
作っておく
特徴などを書き、逃げた日付や場所のみ記入できるようにしておくとすぐに使えます。

鳥さんの写真
携帯電話に画像を保存しておくとポスター同様に捜索時に有効です。

掃除用品
ティッシュやトイレットペーパー、ウェットティッシュ、敷紙、ビニール袋などは多めに用意しておくと安心です。

ケージがすっぽり入る
ビニール袋
防寒のためとフードや羽の飛び散りを防ぐため。中の様子が見えるよう透明なものが望ましいです。かじってしまう鳥さんの場合は段ボールの方が良いでしょう。

使い捨てカイロ
鳥さんは体調が悪くなると体温が下がるため、保温がとにかく重要です。ただし低温やけどや酸欠に注意が必要です。夏季は入手しにくいため冬のうちに多めに用意しておきましょう。

温度計
温度管理に。センサー付きの最低最高温度計が使いやすいでしょう。

簡易ライト
食欲がない場合、夜間でも採食できるように使用します。
これらは参考例です
愛鳥さんに必要なものを追加して用意しましょう。
人間用の防災セットと同じ袋に入れると持ち出しやすいでしょう。
手が空くようにリュックなどに入れることが望ましいです。



災害時に被害を最小限にとどめるために、家具の転倒防止やガラスの飛散防止、
ケージの配置場所の工夫なども有効です。
以下のリンクもご参照下さい。



「首相官邸ホームページ」より