代表質問 質問答弁全文 平成15年第1回定例会


2 義務教育と高校教育の連携について   

 次に,義務教育と高校教育の連携について,教育長にお伺いをいたします。
 教育行政は,大きく,学校教育と社会教育の2つの分野に分けられますが,近年,社会教育に関連した国民のさまざまなニーズに対応するため,スポーツ,文化,生涯学習といった業務が広がってきており,これが県や市町村教育委員会の組織や職員に大きな負担を強いている状況にあります。
 一方では,子供たちは,個性や自由の尊重という名目のもとに,やりたいことをし,甘やかされて育ち,これがさまざまな子供たちの問題行動の原因になっているのではないかと感じているところであります。
 今日,教育改革が強く求められている中で,社会教育のすそ野が広がり,業務が増加していることを見直し,社会教育のうち,知事部局との重複業務について検討を加え,教育の根幹である学校教育に軸足を置き,学校教育を純化し,学校教育を強化するための施策を拡充すべきではないかと考えます。
 教育の最終目標は,子供たちの確かな学力,生きる力を育成し,有用な人材を社会に送り出すことであります。しかし,現状を見ますと,学力低下の問題を初め,子供たちの生きる力が十分に育成されていないのではないかと感じているところであります。
 私は,この原因は,小学校,中学校,高校のおのおのの教育の間の連携が不十分で,小・中・高全体を見通した教育が行われていないことにあると考えております。
 今や,中学校卒業者の約97%が高等学校に進学しております。高校は義務教育化しており,もはや義務教育と高校教育を分けて考える時代ではないのであります。
 今般,統合を含む高校再編整備の前期実施計画が策定されました。この中には,中高一貫教育を初め,総合学科や単位制高校を数多く盛り込むなど,工夫がなされており,この高校再編が単に少子化に伴う生徒数の減少に対応した数合わせではなく,大学進学や就職など,本県の高校生に質の高い教育が行われるのであれば,この改革を積極的に支持していきたいと考えているところであります。
 また,中学校においては,高校と連携した,しっかりした教育が行われることになれば,高校教育改革の効果をさらに上げていくものと期待しております。
 将来をにらんだ子供たちの教育サイクルを考えれば,小学校から高校までの12年間の学校教育を,全体の見取り図のもとに,一体的に考えて教育を行うことが求められているのではないでしょうか。例えば,小学校6年を担任する教員は,子供たちがわずか3年後には中学,6年後には高校を卒業して,大学に進学したり社会に出ていく者もあるということを見据えて教育するということは重要なことであります。
 品川区においては,小中学校の四・三・二制が検討されており,さらには区立の高校の設置も展望していると聞いているところであります。これは,将来的には,小・中・高の一貫教育による効果もねらっていると聞いており,まさに義務教育から高校教育までの教育を,公立学校の設置者として責任を全うしようとする新しい試みとして注目しているところであります。
 一般に,小・中・高の連携が進まない理由の一つには,県教育委員会と市町村教育委員会の所管の違いがあると思いますが,子供たちのことを第一に考えれば,目指すべき教育の方向を共有し,きちんと連携をした教育を行うことが重要であり,所管云々は問題ではないと考えております。
 そこで,県教育委員会として,義務教育と高校教育のより一層の連携を図る必要があると思いますが,教育長の御所見をお伺いいたします。

 川俣教育長

 まず,義務教育と高校教育の連携についてでございます。
 ほとんどの中学生が高等学校に進学している状況の中では,小中学校と高等学校における教育の一貫性を重視した取り組みが一層重要であるというふうに考えております。
 そのため,県といたしましては,これまでも,高等学校教員の初任者研修に,中学校の授業を参観して意見を交換し合うなどの内容を取り入れたり,小・中・高等学校の教員が一緒になって教科研究や学習指導の工夫改善などの研究を行うなど,小中学校と高等学校との連携の強化に努めてきたところでございます。
 また,2月に公表いたしました県立高等学校再編整備の前期実施計画に基づき,平成15年度から,中高一貫教育校として,設置者の異なる県立小瀬高等学校と,緒川,美和,御前山の3つの村立中学校とが連携し,6年間を見通した教育を行ってまいります。
 中高一貫教育校の増設につきましては,その教育効果を踏まえまして,後期実施計画の中で検討を進めてまいりたいと考えております。
 さらに,教員の人事交流につきましては,これまでも小学校と中学校間において積極的に進めてきたところでございますが,新たに,平成15年度の人事異動では,中学校と高等学校がお互いの教育活動をよく理解し,連携をさらに深めるために,管理職を含めた職員について人事交流を始めてまいりたいと考えております。
 今後とも,義務教育と高校教育の連携を一層充実させ,これからの時代を生きる子供たちに,確かな学力と生きる力をはぐくみ,有用な人材として社会に送り出したいと考えております。


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