
次に,社会力の育成についてお伺いいたします。
ある新聞社の全国青少年アンケート調査によりますと,「今の日本は努力すればだれでも成功できる社会だとは思わない」という答えが75%,「日本の将来は暗い」とした答えも75%を占め,「ほどほどに暮らせばよいのであって,お金のために無理な苦労はしたくない」という答えが50%に上っております。
また,今の若者たちは,就職に関し,自分が満足できる仕事につきたいという希望がある反面,その仕事に必要な知識や技術を学ぶという努力もせず,仕事のつらさに耐える忍耐力もなく,総じて社会に対し安易な考え方を持つ風潮があると言われております。
こうした調査からは,日本の若者のひ弱さ,覇気のなさ,希薄化した規範意識などが感じられ,何とも嘆かわしく,日本の将来はどうなるのかと不安になるのは私だけではないと思います。
今,求められているのは,社会が個人一人一人の力によって成り立っていることを十分に理解し,その一員として,よりよい社会にしていこうとする強い意志や能力,すなわち社会力を育成していくことであると切実に思うのであります。
この社会力は,今,学校で育成されている生きる力とは多少異なるものであります。生きる力が,自分が社会のありように順応して生きる,いわば内向きの力であるのに対し,社会力は,よりよい社会づくり,地域づくりに主体的,積極的に参画しようとする外向きの力である点で,より力強いものであります。
今日,学力低下が問題になっている中で,学校で育成すべきものとして,学力がもちろん第一に大切ですが,加えて,個々人がよりよい社会を築いていけるような社会力を高めていくことが重要ではないかと考えております。
そこで,特に児童生徒が地域社会とのかかわりを深め,参画への意欲と活動をより高めていくための,いわば社会力というものを学校でどのように育成していくのか,教育長にお伺いいたします。
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川俣教育長
最後に,学校における社会力の育成についてお答えいたします。
児童生徒が互いに理解し,協力し合い,集団として活動し,よりよい社会をつくり上げていく力,いわゆる社会力を身につけさせていくことは何より大切であるというふうに認識しております。
社会力の育成は,学校・家庭及び地域社会が協力して行うものであると考えておりますが,学校におきましては,総合的な学習の時間などにおいて,地域の方をゲストティーチャーとして招いたり,校外に出て探求活動をしたりするなど,地域を知る活動を通して,自分たちの住んでいる地域をよりよくしていく力を育てております。
また,学校行事や生徒会活動,道徳の時間などにおける体験的な活動等を通して,集団や社会における自己の役割と責任について学んだりしております。
また,県といたしましても,学校における社会力の育成を推進するため,平成12年度から,県内の小学校1年生全員に「おてつだいちょう」を配布し,家庭と学校が連携して子供たちのお手伝いを奨励して,責任感や自立心,思いやりの心などを身につけさせるお手伝い・ボランティア奨励事業を行っておりますし,また,ふるさと発見事業や中学生社会体験事業を実施し,子供たちが地域に積極的にかかわり,住みやすい地域社会をつくる意欲や態度を育てております。
さらに,平成15年度──来年度から,中学生一人一人がそれぞれの力を出し合って,学校という一つの社会をよりよくするために,県内の国・公・私立すべての中学校を対象に,みんなでつくる明るい学校づくり推進事業を実施いたします。
また,すべての高等学校において,豊かな人間性をはぐくむ体験活動推進事業を実施し,ボランティア活動や福祉施設での介護補助等を通して,人にやさしい社会づくりに貢献できる力をはぐくむこととしております。
こうした社会や人に積極的にかかわろうとする取り組みを通しまして,よりよい社会の実現に取り組める,社会力を持った児童生徒の育成に努めてまいりたいと考えております。
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