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橋本知事に対し,自民党県連所属議員一同から公開質問状を提出しました。


 平成21年6月8日,橋本知事に対し,自民党県連所属議員一同から公開質問状を提出しました。
 知事本人は,進退については7月まで公表しないと明言しており,第1回定例県議会から第2回定例県議会の一般質問が終わるまで,前言どおり触れないばかりか,財政問題や公社問題について明確に答弁していないので,党県連四役の一人として橋本知事に対し,定例会の最終日の前日である6月21日までに回答を求めました。


【公開質問状の内容】

公 開 質 問 状
平成21年6月11日
 茨城県知事
  橋本  昌 様
自由民主党茨城県支部連合会 
幹事長 海野   透 
党所属県議会議員一同  

 県知事選まで、残すところ3カ月余りとなりました。しかし、この段階になっても、橋本昌知事は今なお、出馬をするのか否か態度表明を避けております。
 この態度は、県民の代表者たる県議会を軽視していると言わざるを得ず、今任期最後の定例会において去就を明確にし、所信表明するとともに、正々堂々と各会派からの質問に真摯に答えることが知事のとるべき道ではないでしょうか。
 振り返ってみますと、平成5年7月、前知事逮捕に県民は大きな衝撃を受けました。当時は、細川内閣が成立した時であり、県政の混乱を防ぐべく、自民党県連は、国会議員、県議会議員や県経済団体、また内閣関係者等と精力的に調整し、紆余曲折はありましたが、橋本候補擁立でまとめました。
 選挙戦は、無名の新人であり、大変厳しいものでしたが、総力を挙げて戦い、辛くも勝利することができました。
 その後、再選、3選と引き続き自民党県連は全面的に支援を行ってまいりました。
 そして、4年前の4選目を迎えた時、橋本知事の言う「政治家3割、行政官7割」という政治姿勢や政治手法に対して、自民党県連の内外から橋本県政への厳しい声が上がりました。それは、「竹内県政の敷いたレールの上を走っているだけではないか」「県庁内外で殿様になっているのではないか」等々の不満が一気に噴き出したのであります。
 また、知事など首長に対する多選批判の嵐が全国で吹き荒れる中、民主党や公明党も相次いで「4選以上は推薦しない」という旨の方針を打ち出しました。
 しかし、橋本知事や元内閣関係者から、今期限りという申し入れがあり、複数候補を排し、「4選以上は推薦しない」という自民党本部方針に抗して、党県連役員と知事が会談し、初めての覚書を交わし政策協定を結び、推薦を決めたのであります。
 この時点で、次期知事選は、5選を否定した橋本知事以外から候補者を選ぶことが既成の事実となり、自民党県連は小幡政人氏を知事候補として決定したところであります。
 こうした経緯を踏まえるならば、橋本知事は進退について、早急に明らかにすべきであります。わが党はここに先の政策協定やその後の課題の何点かについて公開質問をいたします。明確な回答を求めるものであり、6月21日までにご回答いただきますようお願い申し上げます。

1.多選について
 知事と県議会という二元代表制の下、知事は、広範な行政の執行権、人事権、予算編成権など巨大な権限を有している。このような知事が長期にわたり政権を担当することにより、絶対権力が生まれることになる。
 ある知事経験者は、「県庁というのは一つの大統領制のもとでできあがっている組織であるから、非常に権限の強いトップリーダーになるわけである。そのうち、それが自己目的化し、住民のために仕事をしなければならない公務員が、トップを向いて、トップのために仕事をするようになる。トップは役所をかばうようになる。こういう妙な組織のあり方になって、自己目的化し長期政権が続く。こういうことが随所に見られる」という趣旨の発言をしている。
 知事自身、16年前の毎日新聞のインタビュー記事で、「(知事の任期は)一般論としては、2期はちょっと短い気がする。原則として3期ぐらいが適当だ」と答えており、その時点では、自ら多選の弊害を認識していたのではないか。
 それが、先の第1回定例会の我が党の代表質問に対する知事の答弁では、在任期間が長期化することの弊害には答えず、多選の制限については長い間議論されているがまだ結論が出ていないことやこれまでにも多選の知事はいたという他県の知事の例を挙げるだけで、最後は有権者が決めるものということしか答えておらず、在任期間の長期化による弊害の問題には何一つ触れていない。
 そのような答弁をすること自体、知事を長く務める間に、県民の代表である県議会、ひいては県民に対する謙虚さが失われてしまったのではないかと考えざるを得ない。
 改めて、有権者が決めるという前に、県庁という組織に、さらには県政運営に、政権長期化の弊害がないかどうか、知事の認識を聞きたい。さらに、今回の知事選に当たり、知事がいまだに進退を明言しないことによる混乱が起きている現状について、その責任をどのように認識しているのか聞きたい。

2.財政問題について
 平成17年の知事選の際、自民党県連と知事との間で締結した政策協定において、行財政改革を強力に推進し、県債残高の圧縮など財政再建に努めることを最大の目標に掲げた。
 その後、平成19年度までは景気回復による税収増が続いていたにもかかわらず、県債残高は毎年増え続けた。そして、平成21年度末には1兆7917億円(平成21年度当初予算ベース)となって、知事就任時の平成5年度末の5447億円の約3・3倍にも増大し、4年前の平成17年度末の1兆6668億円と比べても、さらに1249億円も増加している。
 知事は、県債残高の増加は、国の景気対策に歩調を合わせて県債の増発を行ったことや地方交付税の代わりである臨時財政対策債の増加などをその理由に挙げるが、景気対策を行う決定をしてきたのは知事であり、財政悪化を顧みず国の言うままに施策を進めてきた知事の責任は免れ得ない。
 また、財政収支の見通しによると、平成22年度以降も禁じ手である県債管理基金からの繰替運用を行わなければ予算が編成できない状況が続くとしている。
 このような県財政をめぐる状況で、果たして知事は、この4年間、行財政改革を強力に推進し、財政の健全化に努めてきたと言えるのか。知事の認識を聞きたい。

3.保有土地問題について
 平成19年度決算における本県の将来負担比率は289・9%と、全国で5番目という極めて高い水準にある。これは住宅供給公社、土地開発公社、開発公社などの出資団体と、つくばエクスプレス沿線地区開発など様々な開発を進めた結果、膨大な不良資産を抱えてしまったことが大きな原因である。
 県が昨年9月の財政再建等調査特別委員会に示した計画では、これらの公社などが保有する土地に対して、約1700億円の対策を平成40年度頃までの約20年間にわたって講じていくとのことであり、年平均約80億円の税金がこの処理のために使われるということである。
 また、こうした本格的な対策が実施されたのは、平成18年度の9月補正からであり、ほんの3年前にすぎない。それまで知事は13年間、3期以上にわたりこの問題に抜本的な対策を講じてこなかった。公社などへの減損会計や低価法の導入、将来負担比率という考えを取り入れた地方公共団体財政健全化法の施行がなければ、問題の解決は先送りされ、事態はさらに悪い方向へ進んで行ったのではないかと疑わざるを得ない。
 なお、第3セクター等改革推進債を活用した住宅供給公社の前倒し処理を行うと、新たな500億円の負債が生じることとなるが、これは単なる負債の付け替えにすぎず、すべて税金で賄うことに変わりはないことを明確にしておきたい。
 知事就任はバブル崩壊後のことであり、土地価格の暴落などは既に始まっていた。知事は、これら保有土地に係る膨大な負債についてどのように認識していたのかを聞きたい。
 また、その責任として、知事は給与のカットなどを行っているが、県民に負担を求める負債の大きさに見合った責任の取り方になっているのか。改めて、保有土地問題に係る知事の責任に対する認識を聞きたい。

4.産業大県づくりについて
 知事は、産業大県づくりを県政の目標に掲げてきた。陸・海・空の広域交通ネットワークの整備を進めて、企業誘致や最先端科学技術拠点づくりなどを推進してきたが、その成果が見えてこない。
 工業団地を開発し、企業誘致を進めたことにより、一定の企業の立地やそれに伴う税収の増、雇用の確保などの成果もあったとは思うが、その工業団地開発が一方では全国でもトップクラスの将来負担という大きな代償を招いた。知事は、もし工業団地開発をしなければ企業の立地もなく、人口の減少などを招いたという発言をしているが、代償も大きいことを明確にしておかなければならない。
 また、大きな代償を払って企業を誘致したにもかかわらず、県内の雇用情勢は悪い状況が続いており、有効求人倍率は全国平均並みの水準にしかない。
 農業についても、農業改革を推進し、メロンなどのブランド化などを進めてきたが、農業産出額第2位奪還は達成できていない。
 また、県としてのブランド力についても、日経リサーチがまとめた「2008年地域ブランド力調査」では、第45位と低迷しており、産業大県づくりが茨城ブランドの確立に結びついていない。
 知事は、自らが進めてきた産業大県づくりをどのように評価するのか聞きたい。

5.医師確保対策について
 知事は、先の我が党の代表質問において、これまでの県政運営を振り返ってという質問に対し、「医師確保など多くの課題は残されておりますものの、全体としてみれば県政は着実に発展してきている」という認識を示し、医師確保を課題の第一に挙げている。
 本県の人口10万人に対する医師数は155・1人と、全国平均の217・5人を大きく下回り、全国46位という状況にある。知事は、先の記者会見において、医学部の入学定員の削減を医師不足の原因としているが、医師が少ない状況に置かれている県民にとっては、まさに命に関わる大問題である。
 医師の確保が進まないことは、国の制度に原因があるからやむを得ないともとられかねない言い訳を、責任者である知事がすることは、自らの責任放棄と言わざるを得ない。国の制度に問題があるのであれば、あらゆる政治的手段を使ってでも是正させることと、その壁を乗り越えて医師の増員を図ることが、政治家でもある知事の行うべきことではなかったか。
 改めて、医師不足の解消が進まなかったことへの知事の見解及び県民に負担を強いていることへの知事の認識を聞きたい。


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