パソコン工作 その2
その1 その3 その4
パソコンのCPUをAMD-Athlonにかえたので、それ関連をいくつか。
2-1: 9段変速ファン
ファンってのは直径と回転数が大きければ大きい程風量が増えるが、闇雲に回転数を上げていくととってもうるさいシステムが出来上がる。回転数を落とすには入力電圧を下げれば良いわけで、例えば12Vファンを5V駆動すればそれはもうとても静かになるが、風量はガタ落ちである。そこであまり冷却がいらない時は回転数を下げられるように可変速にしてみた。製作費は¥2〜300位かな。
単純に電圧落とすには、ファンと直列に1Wクラスの抵抗でも入れればいい。しかしモーターってのは起動時に電流が最大になるので、抵抗による電圧ドロップも定常時の数倍になってしまい、低回転動作させるために大きな抵抗値を入れると手で回さないと起動しなくなってしまう。そこでダイオードを直列に入れてみた。

使ったダイオードはごく普通のスイッチング動作用のシリコンダイオードで、定格100V/1A位の非常に安く買えるもの。これで1本あたり0.7Vほど電圧が下げられる。間違ってショットキーダイオード使うと1本あたり0.4V位しか下がらなくなるので気を付けよう。ダイオード8本と8回路のディップスイッチを組み合わせれば9段変速だ。実際の回路はこんな感じで、要はファンと直列にダイオード8本入れて、それをスイッチで1本ずつショート出来るようにしただけ。左側がファン電源コネクターのプラス端子、右側がファンのプラス入力に接続される。ダイオードなので極性を間違えないように注意。
実装はこんな感じ。画像だとちょっと分かりにくいかもしれないが、8回路ディップスイッチに1回路ごとに逆向きにダイオードを半田付けして、隣り同士をジグザグに繋いである。
J-Servo製8cmファン(12V/0.14A)にこれを付けたのが右の画像。ホットメルトで接着してある。ダイオードでの消費電力は最大でも1本あたり0.14A×0.7Vで0.1W位なので、ちょっと暖かくなる程度。
| ダイオード本数 | 電圧[V] | 回転数[rpm] |
| 0 | 12.0 | 2800 |
| 1 | 11.3 | 2600 |
| 2 | 10.6 | 2400 |
| 3 | 9.9 | 2250 |
| 4 | 9.2 | 2100 |
| 5 | 8.5 | 1950 |
| 6 | 7.8 | 1750 |
| 7 | 7.1 | 1550 |
| 8 | 6.4 | 1400 |
可変範囲は左表のとおり。回転数は無負荷状態での値。2000回転以下まで下がると、とっても静か。しかしこんなに細かく調整出来てもあまり意味ないので、4回路のディップスイッチでダイオード2本ずつOn/Offするようにした方が作るのが楽でいいかもしれない。
注意点としては、ディップスイッチは接点定格50V/0.1A位なので、厳密に言うと電流値が定格オーバーになっている。また電源入れたままでの定格は0.025A位なので、電源いれたままでOn/Offすると場合によっては接点が溶接されてしまいOff出来なくなる場合がある。On/Offは電源を切るかファンのコネクターを抜いた状態で行うようにする事。
あと実装した状態でダイオードの半田付け部分がケースの金属部に触れないよう注意。
Athlonというのはとっても消費電力が多いCPUで、800MHzの場合でピーク時42.6Wも食ってくれる。このため発熱も半端ではない。CPUファンとしてAMD公認のCoolerMaster製Draco-Thunderbirdというのを買ったんだけど、まだ冷え方が今一って感じだったので、この可変速ファンを使ってみた。
まずパソコンケースの左壁のCPU真上に8cmの丸穴を空ける。次にファンからCPUヒートシンクまでのダクトを作る。私はKonicaのインクジェットプリンター用紙(QPじゃない奴)が余っていたので、それに8cm→6cmまで絞るダクトの形を印刷して、ナイフで切り抜いて作った。ケースにファンとダクトを実装して、CPUクーラーからファンを取り除いて出来上がり。風向きはケースの外側からフィンに吹き付ける方向。
これでASUS A7Vのモニターツールで見る限りでは、CPU裏の温度で元のファンより最大風量時に10℃以上温度が下がった。12Vの電流値はDraco-Thunderbirdのファンとほぼ同じなのだが、ファン径が6cm→8cmで風量が約2倍になっているのと、ケース外の暖められていない空気を直接当てているのが効いている。でも最大風量だと音がうるさいから今はダイオード4本で使っているが、これでも5℃は低くなっている。
この手のファンを使う場合、本当はこのように吸気で使うよりも排気にした方が効率が良い。ファン直下に40〜50Wの発熱源があるのだから、そこから直接外に排熱ってのはシステム全体として見た場合には正しい。しかしこれにはいくつか問題があって、こちらのファンからあまり強力に排気すると電源ユニットのファン風量が落ちてしまい、最悪電源が壊れる可能性がある。またケース内が負圧になるとFDD/CD-ROMのあたりから外気を吸ってしまい、ホコリによって故障する率がとても高くなる。だからケース前面に強力な吸気ファンを付けてケース内の正圧を保った上で、こちらは排気にした方がいいかもしれない。ただしその場合CPUで暖められた空気がファンを通過する事になるので、ファンのベアリング寿命には注意する必要がある。
2-2: Athlon FC-PGAのお守り:貧乏スペーサー

Athlonの記事をWebで読んでいたら、FC-PGAパッケージとCPU放熱フィンの間に銅スペーサーを挟む際にサランラップを挟んで絶縁する、と言う内容を見かけた。放熱悪くなるんでないの?と思い良く読んでみるとどうも主目的は放熱ではなく、CPU放熱フィンの取り付け・取り外しの時にAthlonのコアが非常に欠けやすいのでそのための「お守り」として銅スペーサーを入れるという事のようだ。上図のように、スペーサーが入っていれば少しフィンが傾いただけでもコアとの間には隙間ができて破壊を防ぐことが出来る。

しかし放熱目的じゃないなら何も¥2,000もする専用銅板使わなくても、熱伝導の悪いステンレスや真鍮でもいいはずだ。という事で貧乏スペーサーを使い、もっと安く上げてみよう。
左図は貧乏スペーサーを実装した私のAthlonだ。使っているのは、M4ネジ用のステンレス平ワッシャー(小ザガネ)。こいつの厚みは0.8mm±0.05mm、Athlonコア部の高さは最大0.88mmという事なので、まあ丁度いいんじゃないかな。現物合わせしてみると、確かにワッシャーよりコアの方が0.05mm位高いようだ。値段は10枚入りで¥100位。
実装する前にワッシャーのバリ・カエリを取るために、机の上に置いた1500番の耐水紙やすり(水ペーパー)の上で軽く両面を磨いておき、Athlonの上にエポキシ系接着剤を6箇所たらして、その上からワッシャーを置いただけ。接着する前にはワッシャーとCPUからゴミや油分を良く取っておくこと。ただし接着剤の厚み分で高さが0.88mmを超える事も有り得るので、接着剤が固まる前に放熱フィン全面にシリコングリスを薄く塗ってから取り付けて、接着剤が固まるまで放置しておくのが良い。
ワッシャーの接着には瞬間接着剤の方が簡単なんだけど、あれは高熱掛けると溶けるのでAthlonには不向きだと思う。CPUに付いているスポンジのパッドをもう少し内側にずらして、四隅にワッシャー一個ずつの方が良かったかもしれない。
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