息子に色覚異常があると言われて心配です。
色覚異常について一般的なお話をします。
多分息子さんは日本人に一番多い(男子の約4〜5%)
赤緑色覚異常(第2色覚異常:緑の要素の感覚が鈍い、または欠損している)だろうと思われます。
これは伴性劣性遺伝形式を取ります。父親だけが色覚異常の場合、
子供に発症することはありません。ただし娘は全員保因者となり、孫の世代の男の子のみに発症します。
つまりたいていはお母さんご自身が
保因者(病気の遺伝子を持っているが正常な遺伝子が発症を抑え発病しない)ということになります・・・。
このお話を外来ですると 覚悟して来たお母さんでも涙ぐまれます・・。
場合によっては離婚騒動にもなってしまうのでかなり神経を使って話すようにしているのが現状です。
検査法には石原式・大熊式・東京医大(TMC)式・パネルD-15などが一般に行なわれています。
お気付きのとおり日本人の発明した検査法がほとんどです。
徴兵検査の名残であり、世界一優秀な検査法が確立しているからなのです。
外国では特殊な職業・・例えばパイロットとか・・だけに行なわれているようです。
ちょっと前まで日本では、理科系の大学や商社・銀行に入るため
にも当然のようにチェックされていた様ですが、
現在は無益の差別だとして激減しています。医学部もOKです。
私達眼科医も声を大にして児童・生徒への検査の回数は最小減にと
厚生省や文部省に働きかけています。
また特殊な治療で治るとの宣伝を見かけますが医学的には無効です。
ただ生活面では見やすくなった、色が違って見えてきた
という声を直接患者さんから聞いたことがあります。
下記のHPなどご参考にいかがでしょう。
1.色覚異常を理解するために (クリックするとジャンプします。)
名前の通った眼科医の監修ですのでお勧めできます。
2.カラーバリアフリー案内
また実際に判読しにくい色の組み合わせなどは、こちらの
ページに詳しく出ています。