近視は治りますか?(子供に出来れば眼鏡を掛けさせたくないんですが・・・・)
これもよく聞かれる質問です。答えはNOと言わざるを得ません。
仮性近視と呼ばれる一過性の視力低下は、一般的には10才くらいまでの本来遠視のお子さんに限って見られる現象で、
点眼治療や正しいメガネを使用する事によって裸眼視力が改善します。(例外ありますが・・)本物の近視は眼の成長そのものである為、身長を縮められない様に訓練や目薬では治りません。
12〜18才の成長期が最も進行が早い時期です。
眼鏡を掛けると早く近視が進むのでなるべく掛けないようにして、遠くの星を見ると治るというのも もちろん迷信です。
むしろ、よく見ようとして目を細めてみる習慣の方が、目の緊張を高めるので早く近視が進む可能すらあります。
つまり近視を進ませる訓練を日々行っていることになりますね。生活態度としては、まずゲームボーイ等のミニゲーム機の時間制限をしてください。一度には15分くらいまでと。寝転んでの読書や姿勢の悪い勉強の習慣もお勧めできません。これによる視力への影響は私の経験的にも大きいと思われます。
スーパーファミンや64やプレステの場合は、家で一番新しくて大きな画面のテレビに接続していただければ
1時間程度は問題無いと思われます。画面が小さくなればなるほど、目の調節力に掛かる負担が大きいことが知られています。
また眼鏡と聞いて親が涙ぐむような環境で、子供が眼鏡を掛けることに罪悪感や劣等感を持ってしまうことの問題点
もどうぞ深く考えてあげてください。子供の視力は発達過程なのです。0歳からほぼ12歳までに完成します。弱視治療訓練は8歳までがほぼ限界と言われています。
これは近視ではなくて、片眼性の遠視性弱視のことですが、精密検査をしないと遠視か近視かの区別は難しいです。この時期に正しい環境で視力を確立しないと、将来100万円もの眼鏡やコンタクトレンズ、さらには片方の目が見えるので困らないと言っているから眼鏡はいいや、と考える親御さんがいらっしゃいますが
下に記述したレーシックの手術を受けてももう二度と視力が1.2出ることはありません。
はたして本人の将来に問題は無いのでしょうか?
片眼が0.7以上あれば普通免許は取れますが、大型免許や二種免許には両眼で0.8以上で、かつ、
一眼がそれぞれ0.5以上が必要です。片方の目が弱視では取れません。
またスポーツでも小さなボールを扱う野球やテニス、卓球、弓道などは両眼の視力を特に必要とします。なお、レーザー光線を使用する特殊な手術だけが近視を治す手段となります。
日本眼科医会の子供の近視についてのページをご参照ください。
私も外来でこれと同じ内容の小冊子を患者様にお渡ししています。
では、近視矯正手術について教えてください。レーシックが良いとテレビで見ましたが・・・。
そうですね、レーシックは施設さえ選べば、大変有効な手段だと考えています。
ただ施設を選ぶ・・・これが大変に素人には難しいと思います。
なぜなら、派手に宣伝している施設は、本来の眼科専門医でないドクターが施行していることが多いからです。
日本の現在第一人者の眼科医としては、北里大学眼科教授の清水先生が有名です。
北里大学眼科のこのページが詳しく説明しています。
ただし、ここの眼科でも、誰にでもお金を払えば手術をしてくれる訳でなく、
基本的には”どうしても眼鏡やコンタクトレンズでは具合が悪い理由”が医学的または社会的にある人
を対象としているそうです。
ノーリスクであるとは言い切れないからでしょう。
術後のブレアと呼ばれる霞や見えにくさはどんな名医が手がけても一定の割合でるようです。
また予定通りの視力が出ないこともありうるようです。
強い近視の人やもうすぐ老眼年齢にさしかかる人もあまり良い適応にはなりません。
年齢的には近視の進行がだいたい止まる25才以上が適応になります。
手術の方法は薄いカッターのようなもので黒目の表面を薄く削り膜(フラップ)を作り、その膜を持ち上げて、
レーザーを照射します。
その後膜を元通り被せて、お終い。
時間的には短時間でほとんど痛みも感じない手術です。
ただ、映像で角膜をスパッと切っていくシーンを見ると私はちょっと・・・パスですね。
もう老眼年齢だし・・・。(笑)なお、関連リンクとして、『眼科専門医による屈折矯正手術の会』のHPもお勧めです。
お近くの安心して手術を受けられる施設をご紹介しています。
さらにお受けになった体験者の感想を綴った『LASIK体験記』もご参考になるでしょう。
ネットでの友人、るろうにさんのサブサイトです。