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ホーム << コラム 最終更新 '08/3/27

『著作権入門の‘入門’-30分で著作権の‘ツボ’を押さえる!!-


>> 著作権は、非常に身近な権利です。
>> 「著作物」・「著作者」・「著作権者」って何だ?
>> 著作権は、非常に強い権利です
>> 著作権は、「権利の束」です。
>> 著作者には、人格権もあります。
>> でも、著作権は無制限な権利ではありません。

著作権は、非常に身近な権利です。

 今日、あなたは、次のいずれかのことをしませんでしたか?

 ・         「小説や詩、エッセイを書いた」

 ・         「日記やブログ、手紙を書いた」

 ・         「俳句や短歌を詠んだ」

 ・         「論文や記事を執筆した」

 ・         「企画書やマニュアルを作成した」

 ・         「講演や講義、演説を行った」

 ・         「音楽を作曲した」

 ・         「バレイや舞踊の振付けをした」

 ・         「絵やイラスト、マンガを描いた」

 ・         「書や生け花をした」

 ・         「彫刻作品を彫った」

 ・         「版画をすった」

 ・         「地図を作成した」

 ・         「建築設計図や機械設計図を作成した」

 ・         「映画やアニメ、ドラマを制作した」

 ・         「写真やグラビアを撮った」

 ・         「ソフト(コンピュータプログラム)やデータベースを開発した」

 ・         「ホームページを作成した」

 ・         「新聞や雑誌、教材を編集した」・・・etc.

 もし、あなたが今日、これらのなかのいずれかのことをしていたら、あなたは「今日」から「著作権」を持った立派な「著作権者」です!


 あなたは、「プロ」や「芸術家」、「業界関係者」である必要はありません。日常の仕事や生活のなかで、あるいは純粋にあなたの趣味の時間のなかで、これらのことをすれば、その時点で、「著作権」はあなたのもとに「自動的」に発生しています!これが、著作権です。


 このように、「著作権」というは、実は、われわれ一人ひとりに非常に身近な権利なのです。誰にでも、これを堂々と主張したり、ビジネスや起業に利用したりする機会があります。
 こんな身近で、日常生活や日々のビジネスの中で誰にでもかかわる可能性がある「著作権」を学んでみましょう。きっと、新しい発見があるはずです。


 「著作権」は、「古くて新しい21世紀の有望な知的資産」です。
 今や、「1億総クリエーター・総ユーザー時代」などとも言われています。情報技術の進展とともに著作権制度も日進月歩に‘進化’し続けています。毎年のように、著作権法が改正されています。著作権を取り巻く国際的な取り決めや協力関係もどんどん進んでいます。
 「著作権」は、今や、ひと昔前のように、一部の業界関係者だけにかかわる権利ではありません。1国だけにとどまる権利でもありません。日本発のアニメが海を越えて広く諸外国で受け入れられています。そこでは、当然、著作権という法律問題が大いにかかわってきます。特にアジア諸国での「海賊版」(違法コピー)の問題は、当事者にしてみれば、非常に頭の痛い話です。それどころか、場合によっては会社の存亡にかかわる重大な危機に進展する問題さえ含んでいます。


 著作物を創作する人もそれを利用する人も、「著作権」について最低限の基本的な知識を身につけることが要求される時代になったといえます。



「著作物」・「著作者」・「著作権者」って何だ?

 「小説」・「日記」・「俳句」・「論文」・「企画書」・「講演」・「音楽」・「振付け」・「絵」・「書」・「彫刻作品」・「版画」・「地図」・「建築設計図」・「映画」・「写真」・「ソフト」・「ホームページ」・「新聞」などは、いずれも「著作物」です。
 そして、この「著作物を創作する者」が「著作者」です。
 「著作権者」とは、著作権を持つ者のことです。「著作権を持つ者」は、原則として、著作物を創作した「著作者」なのです。つまり、著作者=著作権者―これが著作権制度の大原則です。


 ここで、「著作物」について、もう少し付け加えておきます。
 「著作物」については、著作権法に次のような定義が置かれています:


『著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。』


 ・・・と、まあ、わかるようでわかりづらい規定ですが、要は、あなたの考えや感情を「外に表現」すればよいのです。なにも高度な芸術性だの独創性や新規性などは要求されません。ほかの人とたまたま偶然全く同じものを表現してしまっても構いません(でも、他人の表現(作品)を「盗作」したり「盗用」したりするのはダメです!)。
 ただ、残念ながら、あなたの心の内だけにしまっている感情やアイディア、理論そのものは、「著作物」とは認められません。だから、「著作権」を持ちたいのであれば、あなたの考えや感情、アイディア、理論を「外に表現」してください。
 「著作物」というのは、思想・感情の「表現物」なのです。


著作権は、非常に強い権利です。

 著作権は、著作物を創作した時点で自動的に著作者のもとに発生する権利です。先ほど、「『今日』から著作権を持った・・・」と言ったのは、このためです。このような考え方を、少々難しい用語ですが、「無方式主義」といっています。著作権を取得するのに、著作物を文化庁に登録する必要はありません。国立国会図書館に納本する必要もありません。著作者が著作物を創作したという事実のみによって著作権が自動的に発生するのです。これが著作権制度の大原則です。

 このように、著作権を持つためには、「特許権」のように、特許庁に出願して厳しい審査を受ける必要は一切ありません。登録の必要もありません。にもかかわらず、著作権は特許権と同様に非常に強い権利です。「他人の利用を排除して、自分だけが利用できる権利」つまり「排他独占的権利」です。あなたの著作物を誰か他人があなたに無断で勝手にコピーでもすれば、あなたは、あなたの持っている「著作権」に基づいて、その相手に「勝手に使うな!」と堂々と文句を言うことができます。必要なら裁判だって起こせます。一方、もし、誰かがあなたの著作物を気に入って「これを使わせて欲しい!」と申し出てきたら、あなたは、「著作権者」として、その相手から「ロイヤリティー(著作権使用料、印税)」がもらえるかもしれません。著作権がビジネスに利用される大きな理由がここにあります。


著作権は、「権利の束」です。

 さて、いよいよ「著作権」とは何か、という話になります。今でもときどき「版権」という言葉を耳にします。これは「著作権」と同義に使われているようですが、法律上の正式な用語ではありません。

 「著作権」については、世間一般にだいぶ誤解があるようです。業界関係者ですら正確にわかっていない方もときどきいらっしゃるようです。実は、「著作権」の中には、以下に掲げるように、いくつかの権利が含まれています。法律上は、これらの権利を1つに束ねたものが「著作権」と呼ばれているものです。「著作権」とは、「権利の束」なのです。

 著作権を持つ者=著作権者だけが、独占的に、以下の権利に基づいて、その権利の中身となる行為を自ら行うか、他人にその行為を行わせる(ライセンスを供与する)権限を持つことになります。
 従って、著作権者からこのライセンスを与えられていない者が無断で以下の行為を行うと、著作権法に規定する自由な利用が許される場合(後述)を除いて、その著作権を侵害することになります。
 侵害者に対して、著作権者は、「そんな侵害行為は差し止めるぞ」、「侵害行為によって被った損害を賠償しろ」などといった民事上の手段を使うことが可能です。
 また、著作権を侵害した者には、「10年以下の懲役」又は「1,000万円以下の罰金」という刑事上の制裁が科せられます。いずれも平成18年著作権法改正によって、罰則がより強化されました。侵害者にしてみれば、無視して済まされる話ではありません。


 それでは、著作権が具体的にどのような内容の権利から構成されているのか、さっそく見ていきましょう。


@ 「複製権

 著作権を構成する権利の中でもっとも基本的で重要な権利です。著作物を印刷したり、コピーしたり、写真に撮ったり、録音したり、録画するなどの行為にかかわる権利です。誰かがあなたの作品(著作物)をあなたに無断で印刷したり、コピーしたり、写真撮影したり、録音録画すれば、このような行為は、原則として、あなたの著作権を侵害する行為となります。


A 「上演権

 一般大衆に直接見聞きさせるために、著作物を演劇的に演じたり舞ったりする行為にかかわる権利です。


B 「演奏権

 一般大衆に直接見聞きさせるために、音楽著作物を演奏したり・歌唱したりする行為にかかわる権利です。


C 「上映権

  一般大衆に直接見聞きさせるために、著作物を映画館のスクリーンやパソコンのディスプレイなどに映し出す行為にかかわる権利です。

 この上映権は、映画著作物にだけ認められる権利ではありません。例えば、CD−ROMに収録されている美術作品や写真をパソコンの画面上に再生する行為も「上映権」の射程内です。


D 「公衆送信権

 著作物の「公衆送信」を行う行為にかかわる権利です。

 「公衆送信」というのは、著作物を一般大衆に直接「放送」(テレビ放送、ラジオ放送など)したり、「有線放送」したり、「自動公衆送信」したり、さらに、「(自動公衆送信の)送信可能化」する行為をさします。

ここで、「自動公衆送信」とは、例えば、インターネット利用者の端末のパソコンからのアクセスがあるとそれに応じて自動的に音声や映像などを送信(インタラクティブ送信)することをいいます。いわゆる「インターネット放送」は、「(有線)放送」ではなくて、この「自動公衆送信」に該当します。
 「(自動公衆送信の)送信可能化」とは、例えば、インターネットによる送信(インタラクティブ送信)する前にサーバーに著作物をアップロード(入力・記録)する行為をさします。


E 「公の伝達権

 一般大衆に直接見聞きさせるために、「公衆送信」される著作物を受信装置(テレビやラジオ、パソコンなどの本体)を使って一般大衆に伝達することにかかわる権利です。例えば、レストランやバーなどで、放送された番組をテレビ画面に映し出してお客に見せる行為がこれに該当します。


F 「口述権

 一般大衆に直接見聞きさせるために、言語著作物(小説や詩など)を朗読などの方法で口頭で伝達する行為にかかわる権利です。


G 「展示権

 一般大衆に直接見聞きさせるために、美術著作物の原作品又は未発行の写真著作物の原作品を展示する行為にかかわる権利です。


H 「頒布権

 映画著作物(劇場用映画、ビデオソフト、ゲームソフトなど)の複製物(コピーしたもの)を一般大衆に譲渡(販売など)したり、貸与(レンタルなど)する行為(営利を目的とするかどうかを問いません)にかかわる権利です。


I 「譲渡権

 著作物(ただし、映画著作物を除きます。)の原作品(もとの作品)又は複製物(もとの作品をコピーしたもの)を一般大衆に譲渡(販売など)する行為にかかわる権利です。
 だだし、いったん適法に譲渡された著作物の原作品又は複製物(例えば、著作権者の承諾を得て販売されたコピー商品)については、その後さらにこれを一般大衆に譲渡(転売や中古販売など)する行為には、文句をつけることはできません。これを、「譲渡権の消尽」(譲渡権が消えてなくなること)と、難しい言葉で呼んでいます。


J 「貸与権

  著作物(ただし、映画著作物を除きます。)の複製物(コピーしたもの)を一般大衆に貸与する行為(いわゆる貸しレコード・CD店やレンタルブック店などを思い浮かべてください)にかかわる権利です。


K 「二次的著作物に関する権利

 「二次的著作物」というのは、ある著作物を「翻訳」したり、「編曲」したり、「変形」したり、「脚色」したり、「映画化」するなどして、もともとの著作物に手を加えて創作される著作物のことです。こういった二次的著作物を創作することにかかわる権利は、もともとの原著作物の著作者が持っています。従って、二次的著作物を創作するには、そのもとになる原著作物の著作者の同意が必要になります。
 なお、二次的著作物を利用したいと希望する者は、その二次的著作物の著作者だけでなく、そのもとになっている原著作物の著作者の同意も必要になりますので、注意してください。


 以上、おわかりいただけましたでしょうか。一言で「著作権」といっても、その中にさまざまな権利が含まれているのです。



著作者には、人格権もあります。

 世間一般で「著作権」と言った場合、通常は、先に述べてきました「著作権」を意味する場合が多いのですが、実は、著作物を創作した著作者には、「著作権」の他に、もう1つ「著作者人格権」と呼ばれる権利が発生しています。
 「著作権」が著作者の「財産的利益」を保護する権利であるのに対して(「著作権」=「著作財産権」)、「著作者人格権」は、著作者の「精神的・人格的利益」を保護するために認められている権利です。この「著作者人格権」も、「著作権」と同様に、その中にいくつか権利が含まれています。


 著作者人格権に含まれる権利には、次の3つがあります。


@ 「公表権

 まだ公表されていない自分の著作物について、これを一般大衆に公表するのかしないのかなどを決定する権利です。あなたに公表を控えている著作物がある場合に、誰かが勝手にその未公表の著作物を公表してしまう行為は、原則として、この公表権を侵害することになります。


A 「氏名表示権

 著作者名として実名(本名)を表示するのか、変名(ペンネームや雅号など)を使うのかを決定したり、著作者名をそもそも表示しないことを決定する権利です。


B 「同一性保持権

 著作物や著作物の題号(タイトル)を、自分の意に反して改変(変更や切除など)されない権利です。「題号」は「著作物」ではありませんが、これを著作者に無断で勝手に変更したりする行為も原則として同一性保持権の侵害となります。


 以上の3つの権利から構成される著作者人格権も、著作者が著作物を創作したという事実のみによって著作者のもとに自動的に発生します(これを「無方式主義」といいました)。


 なお、著作者人格権は、この点は著作権とは大いに異なるのですが、これを他人に売却したり、相続させたりすることはできません。これを、「著作者人格権の一身専属性」と呼んでいます。


 著作物を創作した著作者には、大きく分けて、「著作権(著作財産権)」と「著作者人格権」が認められているのです。



でも、著作権は無制限な権利ではありません。

 「著作権」とひと言でいっても、その中には、著作物の利用態様(使い方)に応じて、複製権をはじめとしてさまざまな権利が含まれていました。そして、「著作権」は、他人の無断利用行為を排除する「排他独占的権利」という強力な権利であることもすでに述べたとおりです。


 でも、ここでちょっと立ち止まって、少し考えてみてください。あなたが「小説」や「音楽」、「絵画」や「映画」、「ホームページ」といった著作物を創作するとき、はたして、あなたは全くの「無(ゼロ)」からあなたの著作物を創作できるでしょうか?無意識のうちにでも、なんらかの形で、だれそれの著作物(作品)の影響を受けていませんか?


 著作物を創作する者は、一方では他人の著作物を利用する者である場合も多いのです。「文化」というのは、良い意味でも悪い意味でも、積み重なって、後世に伝えられていくものです。今日創作したあなたの作品(著作物)が、いずれ何十年か先に後世の人の創作に影響を与えるかもしれません。つまり、著作物を創作する者とそれを利用する者は、ある意味では、「持ちつ持たれつの関係」と言えなくもありません。そうなら、「著作物を創作する者」つまり「著作者」だけを「著作権」によって強力に保護するだけで、「著作物を利用する者」の利益や便宜を一切顧みないのであれば、それは「公正さ」を欠くといえるでしょう。また、社会全体の利益を図るために国家がわざわざ著作権制度を創設する意義は危ういものとなるかもしれません。

 わが国に限らず、各国の著作権制度は、著作権を創設して著作者を保護する一方で、この強力な著作権に一定の「制限」を加える措置を講じています。これは、以上のような事情があるからです。

 例えば、「私的使用」―あなたも耳にしたことがあるかも知れません。これは、著作物を自ら個人的に使用したり、家族やごくごく親しい友人の間だけで使用する場合には、一定の条件の下で、その著作物の権利者の同意を得なくても、自由に複製(コピーや録音録画など)することができる、とするものです。著作権法には、この「私的使用」の他にも、「著作物を自由に利用できる場合」についてかなり多くの規定が設けられています。これらはすべて、著作物を利用する側の利益や便宜を考慮して設けられているものです。

 一方、同様な理由から、著作権は永遠と続く権利ではありません。一定の「保護期間(存続期間)」が存在します(著作権は有限)。つまり、この一定の保護期間が経過すると、著作権は「消滅」し、以後は社会の「共有財産(自由に使えるみんなのもの)」となります。

 ここでは、著作権の保護期間について、その原則を簡単に述べておきます。
 著作権の保護期間は、あなたが著作物を「創作した時」からはじまります。そして、あなたが「生きている間」と、あなたが「亡くなってから50年を経過するまで」、著作権は存続します。つまり、著作権の保護期間は、創作時から始まり「著作者の生存期間プラスその死後50年間」です。これが、わが国の著作権法の原則です。
 著作権が消滅した後は、その著作物を誰でも自由に利用することができるようになります。ここに、著作権は、社会全体の共有財産となったのです。


 以上のように、著作権制度は、その時代時代の社会情勢や科学技術の進歩をみながら、常に、著作(権)者と著作物の利用を欲する者の両者の利益保護に配慮します。そして、その時々のこの両者の利益保護の「バランス」を保ちながら、「文化の発展」を促進していこうとする制度なのです。

以上




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キーワード解説

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>> 著作者人格権









































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>> 著作物を自由に利用できる場合〜総論〜

>> 著作権の保護期間

>> 著作権法の目的