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ホーム リスト << 著作権Q&A 最終更新 '08/06/05

【低俗・ワイセツなモノでも保護される?


文化的な価値のない低俗なモノや、刑法に抵触するようなワイセツなモノでも、著作権法によって保護されるのですか?

回答

「文化的な価値のない低俗なモノ」、「ワイセツなモノ」でも、その「モノ」が著作権法に定める「著作物」に該当するものであれば、著作権による保護を受けることができます。


 著作権法の究極的な目的が「文化の発展に寄与」(1)することにあるのであれば、「文化的な価値がない著作物」を保護する必要はないのではないか、そういった疑問が出てくるかもしれません。

 しかし、そもそも思想・感情の表現物である「著作物」(211)の「文化的な価値」とは何でしょうか?人の思想・感情、その表現の価値を、どのように評価し決定したらよいのでしょうか?


 「文化」は、良い意味でも悪い意味でも、積み重なって後世に伝えられていくものです。ある時代に社会に受け入れられなかったものが、何十年か先にその評価が見直され、名作としてその時代の社会に受け入れられた例はいくらでもあります。

ある創作物に文化的な価値があるかないか、その程度の如何を法的に評価することは極めて困難であり、「文化的な価値」の客観的な基準を確立することは実際上不可能に近いといえるでしょう。

従って、全くの素人の作品であろうと著名な芸術家の作品であろうと、それが「著作物」であるならば、その「芸術性」の高低を問わず、著作権法上は同等に扱われるべきです。そして、ある著作物が文化的に価値があるかどうかは、その時代時代の、裁判所(司法判断)ではなく、一般社会の感覚(自然淘汰)に任せるべきだと思います。

 一方、刑法175条では「わいせつな文書、図画その他の物を頒布」等することを禁止しています。ここで、「わいせつ」とは、最高裁(「サンデー娯楽」事件)の考え方に従えば、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」ということになります。

 著作権法にいう「著作物」やその複製物が同時に刑法175条の「わいせつな文書、図画その他の物」に該当する場合はあると思います。しかし、刑法によってその頒布等が禁止される場合であっても、そのことによって著作権法による保護が排除されることにはならないと考えます。公法的な規制の問題と私権の保護の問題とは一応分けて考えるべきだと思います。

従って、著作物に該当する他人の「わいせつな文書、図画その他の物」を当該他人に無断で頒布等すれば、当該著作権の侵害にもなりえます。また、自己が著作権を有する「わいせつな文書」等を頒布すれば、それが著作権によって保護されていようとも、当然に刑法によって処罰されることになります。


>> 著作権法の目的
>>
著作物の定義


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