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ホーム リスト << 著作権Q&A 最終更新 '08/06/05

【他人の原稿の一部を勝手にカットするとどうなるの?

 原稿料を支払って執筆依頼をした原稿について、当方の判断のみで、その一部をカットすることはできますか?

回答

原稿料を支払ったかどうか、その原稿を買い取ったか否かにかかわらず、原稿の一部をその著作者の了解を得ずに「カット」することは、極めて限定的な場面を除いて、一般的にはできないと考えます。従って、かかる行為を行えば、原則として、著作者人格権のひとつである「同一性保持権」(20条1項)を侵害することになります。

 著作者は、その「著作物又は題号に、その意に反して改変(変更・切除等)を受けない」権利を有しています(201項)。これを「同一性保持権」といいますが、原稿の一部を「カット」することは「切除」に該当するため、「著作者の意に反して」これを行えば、同一性保持権を侵害することになります。

 ところで、この同一性保持権は、「著作物(原稿)の性質(文芸的か、学術的か等)」・「著作物の利用の目的(教育目的か、商業目的か等)及び態様」に照らして「やむを得ないと認められる改変(変更・切除等)」については及ばないとされています(2024号)。この規定に関し通説的な見解は、当該規定は厳格に解釈運用されるべきで、真にやむをえない場合の必要最小限度を超えるような拡大解釈は許されるべきではない、としています。この見解に照らすと、本設問のような「カット」を許容できる場面はほとんどないと思われます(このほか、劇場用映画をテレビ放映する場合の「短縮」・「再編集」も、著作者の了解なしに勝手に行うことはできないでしょう)。

 なお、実務上、各種著作権ライセンス契約や著作権譲渡契約に際し、契約書に著作者人格権の「放棄条項」や「不行使条項」を挿入する場合がありますが、これらの条項は、その有効性について問題がないとは言えないため、設問のような「カット」を行う場合には、事前に著作者の了解を書面で確認しておくことをお勧めします。


>> 著作者人格権の侵害


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