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ホーム << キーワード解説 最終更新 '08/08/21

著作権〜総論・複製権〜

>> 著作権法21条

近頃では、「著作権」ときには「版権」(「版権」という用語は著作権法のどこにも出てきませんが)という用語を、新聞・雑誌・テレビなどで非常に頻繁に目にするようになりました。それだけ世間一般にも「著作権」が認知され、関心が持たれているということでしょうが、「著作権」という用語の正確な意味を知っていらっしゃる方は案外少ないのではないかと思います。

「著作権」という用語は、まず、「広義の(広い意味での)著作権」と、「狭義の(狭い意味での)著作権」の両方の意味に用いられることがあります。「広義の著作権」は、「著作者人格権」を含む概念で、一方、「狭義の著作権」は、著作者人格権を含まない純粋な「著作財産権」を意味します。法律上は、単に「著作権」といった場合には、後者の「著作財産権」を意味します


次に、この「(狭義の)著作権」=「著作財産権」は、所定の複数の権利から構成されています。逆の言い方をすると、「著作権」から一定の権利が分かれています(この分かれているそれぞれの権利を「支分権」などともいいます)。つまり、「著作権」というのは、「権利の束」ということです。

具体的には、次の権利に分かれています。

・複製権(21条)
  上演権・演奏権22条)

上映権22条の2

公衆送信権・公の伝達権23条)

口述権24条)

展示権25条)

頒布権26条)

譲渡権26条の2

貸与権26条の3

二次的著作物に関する権利(27条、28条)


以上のような著作権を享有するためには、いかなる方式の履行も必要ありません(「無方式主義」:172項)。すなわち、以上の著作権は、著作者が著作物を創作したという事実のみによって自動的に発生する権利です。


複製権について

「複製権」とは

 複製権は、著作権の中で、歴史的に見ても、また実際的な活用場面に照らしても、最も基本的で重要な権利です。
 「複製権」とは、著作物を「複製」する排他的権利をいいます(21条)。

「複製」とは

 「複製」とは、印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって、著作物を有形的に再製すること(著作物を形のある物にコピーすること)を意味します(2115)。従って、音楽著作物の生演奏自体や演劇のライブ上演自体などのいわゆる「無形的複製」は、「複製」の概念には含まれません(もっとも、これらの「生演奏」や「ライブ上演」には、それぞれ「演奏権」・「上演権」が及びます(22条))。

小説や論文を印刷したり、複写機でコピーすること、絵画や彫刻を写真撮影すること、講演をテープに取ること、テレビ放送された映画をビデオに撮ることなどは、いずれも「複製」に該当します。先ほどの例でいいますと、生演奏されている音楽著作物を録音したり、ライブ上演されている演劇の著作物を録画することは、「複製」に該当します。

絵画の模写など、手書きで写すことも「複製」に該当します。作成される複製物の数は問題となりません。複製物がたとえ1部であっても、著作権者の同意なしに複製することは原則として許されません。一方、複製が営利を目的としてなされたか否かも問題とされません。
 以上が「複製」の基本的な概念ですが、さらに、法は、脚本などの演劇用の著作物の複製については、その脚本等自体をコピーすることだけでなく、その脚本等に基づいて上演、放送若しくは有線放送されたものを録音・録画することも「複製」に当たるとしています(2115号イ)。また、建築図面(図形著作物)をコピーする行為とは別に、建築著作物については、その建築図面に従って建築物を完成させる行為が当該建築著作物の「複製」に当たるとしています(2115号ロ)。
 なお、複製権は、著作物とそっくりそのまま全く同一のものを再製することばかりでなく、多少の修正増減があっても、その再製物が著作物との同一性を有する限り、そこに及びます。また、一部分の複製であっても、その複製部分が「著作物」であると認められる限り、当該部分複製にも複製権は及ぶものと解されます。


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