著作権〜総論・複製権〜
著作権法21条(複製権)
著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
【対訳】
Article
21. (Right of reproduction)
The author
shall have the exclusive right to reproduce his work.
著作権法17条(著作者の権利)
1 著作者は、次条第1項、第19条第1項及び第20条第1項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第21条から第28条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。
2 著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。
【対訳】
Article
17. (Rights of author)
(1) An
author shall enjoy the rights provided for in paragraph (1) of the next
Article, Article 19, paragraph (1) and Article 20, paragraph (1) (hereinafter
referred to as "moral rights of author") as well as the rights
provided for in Articles 21 to 28 (hereinafter referred to as
"copyright").
(2) Enjoyment of the moral rights of
author and copyrights shall not be subject to any formality.
著作権法2条1項15号
複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
ロ 建築の著作物 建築に関する図面に従って建築物を完成すること。
【対訳】
"reproduction" means the
reproduction in a tangible form by means of printing, photography, photocopy,
sound or visual recording or other methods;
and
(a) in the case of play/film scripts
and other similar dramatic works, "reproduction" includes sound and
visual recording of the stage performances, broadcasts or wire-broadcasts of
said works; and
(b) the case of architectural works,
"reproduction" includes the completion of building in accordance with
the drawings thereof;
近頃では、「著作権」ときには「版権」(「版権」という用語は著作権法のどこにも出てきませんが)という用語を、新聞・雑誌・テレビなどで非常に頻繁に目にするようになりました。それだけ世間一般にも「著作権」が認知され、関心が持たれているということでしょうが、「著作権」という用語の正確な意味を知っていらっしゃる方は案外少ないのではないかと思います。
「著作権」という用語は、まず、「広義の(広い意味での)著作権」と、「狭義の(狭い意味での)著作権」の両方の意味に用いられることがあります。「広義の著作権」は、「著作者人格権」を含む概念で、一方、「狭義の著作権」は、著作者人格権を含まない純粋な「著作財産権」を意味します。法律上は、単に「著作権」といった場合には、後者の「著作財産権」を意味します。
次に、この「(狭義の)著作権」=「著作財産権」は、所定の複数の権利から構成されています。逆の言い方をすると、「著作権」から一定の権利が分かれています(この分かれているそれぞれの権利を「支分権」などともいいます)。つまり、「著作権」というのは、「権利の束」ということです。具体的には、次の権利に分かれています。
複製権(21条)
上演権・演奏権(22条)
上映権(22条の2)
公衆送信権・公の伝達権(23条)
口述権(24条)
展示権(25条)
頒布権(26条)
譲渡権(26条の2)
貸与権(26条の3)
二次的著作物に関する原著作者の改作利用権(創作権)(27条)
二次的著作物の利用に関する原著作者の利用権(28条)
なお、著作権を享有するためには、いかなる方式の履行も必要ありません(無方式主義;17条2項)。すなわち、以上の著作権は、著作者が著作物を創作したという事実のみによって自動的に発生する権利です。
複製権について
複製権は、著作権の中で、歴史的に見ても、また実際的な活用場面に照らしても、最も基本的で重要な権利です。
ここで「複製権」とは、著作物を「複製」する排他的権利をいいます(21条)。
「複製」とは、印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって、著作物を「有形的に再製すること」(著作物を形のある物にコピーすること)です(2条1項15号)。例えば、小説や論文を印刷する・複写機でコピーする、絵画や彫刻を写真撮影する、講演をテープに取る、テレビ放送された映画をビデオに撮るなどは、いずれも「複製」に該当します。また、絵画の模写など、手書きで写すことも「複製」に該当します。
作成される複製物の数は問題となりません。複製物がたとえ1部であっても、著作権者の同意なしに複製することは原則として許されません。一方、複製が営利を目的としてなされたか否かも問題とされません。
以上が「複製」の基本的な概念ですが、さらに、法は、脚本などの演劇用の著作物の複製については、その脚本等自体をコピーすることだけでなく、その脚本等に基づいて上演、放送若しくは有線放送されたものを録音・録画することも「複製」に当たるとしています。また、建築図面(図形著作物)をコピーする行為とは別に、その建築図面に従って当該建築物を完成させる行為が建築著作物の「複製」に当たるとしています。
なお、複製権は、著作物とそっくりそのまま全く同一のものを再製することばかりでなく、多少の修正増減があっても、その再製物が著作物との同一性を有する限り、そこに及びます。また、一部分の複製であっても、その複製部分が「著作物」であると認められる限り、当該部分複製にも複製権は及ぶものと解されます。
>> 著作権〜上演権・上映権等〜
>> 著作権〜頒布権・譲渡権等〜
>> 著作権〜二次的著作物に関する権利〜
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