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ホーム << キーワード解説 最終更新 '08/09/12

著作権の保護期間

>> 著作権法51条

1. 原則的保護期間


  著作権の存続期間(保護期間)は、著作物の「創作の時」にはじまり511項)、原則として、「著作者の生存期間プラスその死後50年を経過するまで」の間存続します(512項)。
  この「著作者の生存間及びその死後50年」という著作権の保護期間は、現在の国際的な水準であるといえます。この点、ベルヌ条約7(1)には、ずばり、「この条約によって付与される保護期間は、著作者の生存の間及びその死後50年間とする」と明記してあります。


  ある著作者が複数の著作物を創作した場合、著作権はその作品の個々の創作ごとに発生し、その著作者の死後50年を経過したときに、当該著作者のすべての著作物にかかる著作権が消滅することになります。
  なお、共同著作物(2112)の著作権の保護期間の終期は、「最後に死亡した著作者の死後50年」です(512項カッコ書)。


2. 終期の特例

1) 無名又は変名で公表された著作物の場合(52


  無名又は変名で公表された著作物の著作権は、その「公表後50」を経過するまでの間存続するのが原則です。無名著作物又は変名著作物については著作者の死亡時点を客観的に把握することが困難であるところから設けられた規定です。但し、ある著作物が最近無名又は変名で公表され、その公表後50年を経過していない場合であっても、すでにその著作物の著作者の死後50年が経過したと認められるときには、その著作権は、当該著作者の死後50年の経過時点で消滅します(521項但書)。
  また、次の@Bのいずれかに該当するときは、上記の規定は適用されず、原則的保護期間<著作者の死後50年(512項)>が適用されることになります。
@ 変名著作物における変名がその著作者のものとして「周知」のものであるとき。
A 521項の期間内に「実名登録」(751項)があったとき。
B 521項の期間内に著作者がその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したとき。


2) 団体名義の著作物の場合(53

  法人その他の団体の著作名義で公表された著作物(その著作物の著作者が法人等の団体であるか個人であるかを問いません。)については、その「公表後50」を経過するまで著作権が存続するのが原則です。但し、法人その他の団体が著作名義を有する著作物が「創作後50年」以内に公表されなかったときは、その創作後50年で終了します(531項カッコ書)。特に法人等の団体が著作者でもあるような場合(15条参照)には、原則的保護期間である50年の「死後」起算が不可能であるため(、また、法人等の解散時を起算点とすることも不適切と考えられるため)、本条のような規定が設けられています。


ここで「法人その他の団体が著作名義を有する著作物」とは、法人著作(15条)において会社等が著作者となる著作物のみならず、個人が著作者であって、ただ著作名義が団体になっているような著作物をも含むと解されます。

もっとも、法人その他の団体が著作名義を有する著作物の「著作者である個人」(著作権法上の「著作者」の地位に立つ者のことで、法人著作において実際に著作物を創作した従業員はこれに該当しません。)が、531項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示して当該著作物を公表したときは、上記の「公表後50年」は適用されなくなり(532項)、原則に返って、「著作者の死後50年」が適用されることになります(512項)。

一方、法人著作(152)において会社等が著作者となるプログラム著作物の存続期間ついては、その著作名義にかかわらず531項の規定が適用されます(533項)。



3) 映画著作物の場合(54

  映画著作物の著作権は、その著作物の「公表後70」をもって終了するのが原則です。但し、創作後70年以内に公表されなかったときは、その創作後70年の経過をもって終了します(541項カッコ書)。

  映画著作物に係る著作権の保護期間について、これを著作者の死亡時起算として計算することは、著作権法291等の規定を考慮すると必ずしも適切なものにはならないという配慮から、その保護期間の終期の起算点を「公表時」としています。また、従来、映画著作物の保護期間は公表後「50年」とされていましたが、この期間が、原則的保護期間(著作者の生存間プラス死後50年)に比べて、実質的に「生存間」の分だけ短くなる、などとの関係方面からの強い指摘があったことから、平成15年の法改正によって「70年」に改められました。


  映画著作物の著作権が存続期間の満了によって消滅したときは、「当該映画の著作物の利用に関するその原著作物(例えば、映画化された小説や脚本など)の著作権」は、その映画著作物の著作権とともに消滅します(542項)。当該映画化された小説や脚本等の原著作物の著作権によって、保護期間が満了した映画著作物の利用が妨げられないようにするための手当てです。もっとも、映画著作物と運命を共にするのは、小説や脚本等の著作権のうち「当該映画の著作物の利用に関する」範囲内に限られ、当該映画の利用以外の部分(例えば、小説の出版による利用など)に関しては、もとより消滅するものではありません
  一方、映画著作物の中で複製されている音楽や美術作品については、これらは当該映画に対する「原著作物」には当たりませんので(従って、これらの著作物によってパブリックドメインに帰した映画著作物の自由利用が妨げられることもないので)、そもそも本条(542項)の適用はありません。

  なお、映画著作物の中にも無名・変名著作物や団体名義の著作物があるでしょうが、これらについては、52条・53条の規定は適用されず、54条の規定によって一律にその存続期間が処理されます(543項)。



4) 継続的刊行物等の公表の時(56

  無名又は変名で公表された著作物の保護期間(521項)、団体名義の著作物の保護期間(531項)、映画著作物の保護期間(541項)についての「公表後50年(映画著作物の場合は、70年)」における「公表時」は、
@ 「冊、号又は回を追って公表する著作物」(その全部の公表の終わる時期が通常予定されていない、新聞、雑誌、年報などのような著作物)については、その「毎冊、毎号又は毎回の公表時」をもって、保護期間の終期が起算されます(561項)。
A 「一部分ずつを逐次公表して完成する著作物」(一部分ずつが公表されて完成されるもので、通常その終期が予定されている、百科事典、文学全集、連載小説、連続テレビドラマなどのような著作物)については、その「最終部分の公表時」をもって保護期間の終期が起算されます(561項)。但し、「継続すべき部分が直近の公表時から3年を経過しても公表されないとき」は、すでに公表されたもののうちの最終部分の公表時をもって起算されることになります(562項)。


3. 保護期間の計算方法(57条

  「死後50年」、「公表後50年(又は70年)」、「創作後50年(又は70年)」の期間の終期を計算するときは、それぞれ、著作者が死亡した日、著作物が公表された日、著作物が創作された日のそれぞれが「属する年の翌年の11日」から起算します(57条)。

(例) 平成20年(2008年)4月に死亡した著作者の実名で公表された著作物の保護期間の終期は、平成21年(2009年)の11日から起算して50年間の平成70年(2058年)の1231日まで。

>> 実名登録


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