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ホーム << キーワード解説 最終更新 '08/09/03

著作権移転登録

>> 著作権法77条

著作権の売買等と対抗要件

わが国の著作権法は著作権の発生に関して「無方式主義」を採用しているため(172)、登録は著作権取得のための要件ではありません

一方、著作権の変動を登録によって公示することにより、財産権としての著作権の取引の安全を図る観点から、著作権に関する登録制度が設けられています(77条)。


この著作権の登録制度の中で、「著作権の移転」(相続その他の一般承継によるものは除きます。)について、著作権法は、次のように規定しています:「著作権の移転は、登録しなければ、第三者に対抗することができない」


「著作権の移転」には、売買・贈与などを原因とする一般的な譲渡による移転のほか、信託による移転などが含まれます。

「相続その他の一般承継」による移転を除外しているのは、相続人等は原則として原権利者(被相続人等)の地位をそのまま引き継ぐことになるため、かりにその原権利者から著作権を買い受けた第三者がいても、その第三者との関係では当事者(原権利者)としての地位に立つことから、対抗問題を生じることにはならないからです。


「対抗することができる」とは、「著作権が自己に移転したこと(著作権を自己が取得したこと)を法律的に第三者に主張できる」ことを意味します。

少々わかりづらいので、例を挙げて説明します。

BCという人間が、ある著作物の著作権者であるAと、それぞれ別々に同一の著作権について売買契約を結びました。まずはじめに、Bが著作権者Aからその著作権を買い受けました。ところが、Bがこれを登録しないでいる間に、Bが買い受けた同一の著作権について、CAからこれを買い受けた後、Bより先に当該著作権について移転登録をしてしまいました。さて、B(契約はBが先)とC(登録はCが先)のどちらが問題の著作権について「その権利は自分が譲り受けた」と主張できるのでしょうか?これがいわゆる「二重譲渡の問題」です。

結論を言いますと、Cの勝ちです。契約の時期がBより遅かったという事実は、BC間の法律関係では問題とされません。どちらの登録が先であったかが問題になります。登録を受けていないBは、自分より後から権利を取得し登録を備えたCに対して、自分が譲り受けた著作権を主張できないことになるのです。

以上のように、二重譲渡のおそれが予想される場合には、著作権を譲り受けた者は、リスクマネジメントの観点から登録を備えておくことが賢明といえるでしょう。

なお、条文中の「登録しなければ対抗できない第三者」とは、登録が存在しないことを主張するについて正当な利益を有する者に限られます。従って、著作権者に無断でインターネットに掲載した者や、無断で録音・録画した者のように、著作権を侵害する不法行為者は、この「登録しなければ対抗できない第三者」には当たらず、これらの侵害者(不法行為者)に対しては、登録がなくても権利の取得を主張することができます。また、いわゆる「背信的悪意者」(著作権の移転があったことを知っており、かつ、その登録が存在しないことについてこれを主張することが信義則に照らして許されるべきでない者)も、この第三者に当たらないと解されます(登録がなくても、権利の取得を正当に主張できます)。


譲渡担保との関係

少々専門的な話になりますが、ここで、譲渡担保と著作権登録の関係について簡単に記しておきます。

「譲渡担保」とは、債権担保のため著作権を法律形式上は債権者に移転しておきますが、債務が弁済されれば、債権者に移転される著作権が債務者(もともとの著作権者)に復帰することを内容とする担保方法をいいます。著作権を担保に金融を得るためのひとつのスキームとして、わが国では、著作権を目的とする質権設定よりも実務上利用されています。
 この譲渡担保の登録に関しては特に著作権法に定めはありませんが、少なくとも外形的には著作権が譲渡されていることから、実務上は、譲渡担保契約を登録原因とする著作権の移転登録(771号)を行うことになります。

>> 著作権の譲渡


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