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ホーム << キーワード解説 最終更新 '08/07/25

二次的著作物

>> 著作権法2条1項11号
>> 著作権法11条

「二次的著作物」とは、著作物を「翻訳」し、「編曲」し、若しくは「変形」し、又は脚色し、映画化し、その他「翻案」することにより創作される著作物をいいます(2111号)。

要は、もとになる著作物(これを「原著作物」とよんでいます。)があって、これに一定の創作的な手が加えられて作られるものが「二次的」著作物となるわけです。そして、その創作的な手の加え方によって、「二次的著作物」は、「翻訳著作物」・「編曲著作物」・「変形著作物」及び「翻案著作物」の4つに大別されます。



翻訳著作物


「翻訳著作物」とは、言語著作物を他の言語で表現し直し、新たな創作性を加えることによって創作される著作物をいいます。例えば、日本語の小説を英語に翻訳したものがこれに当たります。

翻訳には、原典に対する正確な理解と、他の言語に表現し直す際の当該言語の精通力等が要求されるため、翻訳者が、原典(原著作物)の内容・雰囲気を壊さないよう、自己の学識等を用いて適切な訳語を選び出し他の言語に移し変える行為は、精神的創作作業であるといえます。そのため、同一の原典(原著作物)について複数の者がそれぞれ独立して翻訳を行うときは、それらの者の数だけ当該原著作物に関する二次的著作物が存在することになります。



編曲著作物

「編曲著作物」とは、音楽著作物の楽曲をアレンジして、新たな創作性を加えることによって創作される著作物をいいます。例えば、クラシック曲をジャズ調にアレンジしたもの古典音楽を現代風にアレンジしたものなどがこれに当たります。原曲を単に1オクターブ上げ下げしただけの改作では、「編曲」に当たらないと解されます。


変形著作物


「変形著作物」とは、主に、美術著作物を他の表現形式に変更>して、新たな創作性を加えることによって創作される著作物をいいます。例えば、彫刻を絵画にしたもの絵画を彫刻にしたもの写真を絵画にしたもの平面地図から作られた地形の模型などがこれに当たります。



翻案著作物


「翻案著作物」とは、原著作物に依拠しつつ、そこに表現される主題やストーリー性などの基本的内容・本質的な特徴を受け継ぎながら、新たな創作性を加えて作られる著作物をいいます。「脚色」されたもの、「映画化」されたものも、「翻案著作物」です。ポイントになるのは、翻案物が@「既存の著作物に依拠」しているか否かと、A「その(既存の著作物の)表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに思想又は感情を創作的に表現することにより、これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる」か否か、です。例えば、小説やマンガを脚色したもの脚本を映画化したもの小説をマンガにしたものマンガを小説にしたもの外国の小説や映画を日本を舞台にしてリメイクしたもの大人向けの小説を児童向けに書き改めたもの学術論文等の長い文章を要約したもの(ダイジェスト版)古典を現代語訳したもの方言を標準語に変えたもの速記文や暗号文を解読したものなどは、一般的にこの「翻案著作物」に該当することになります。



二次的著作物の独自性

二次的著作物は、既存の著作物に新たな創作性を付加して作られる「著作物」(211)でなければなりません。従って、原著作物に少々の修正や変更を加えただけで何ら新たな創作性を加えていないものは、そもそも「著作物」に該当せず(創作性が認められない)、結局のところ「二次的著作物」にも該当しないことになります。このようなものは、原著作物の単なる「複製物」にすぎません。

一方、既存の著作物から単にヒントや着想を得たに過ぎないもので、全く新たな著作物を創作したと認められる場合には、それは、もはや二次的著作物ではなく、独自の著作物として保護されます。

以上のように、二次的著作物は、原著作物に依拠しているとはいえ、そこに新たな創作性を付加して作られるもので、原著作物とは別個の著作物ですから、原著作物とは区別して独立して保護されます(例えば、二次的著作物の保護期間は、原著作物の保護期間とは別個に計算されます)。また、二次的著作物に対する保護は、原著作物の著作者の権利の内容(もっとも28条には注意)や保護期間等に影響を及ぼすことはありません(11)。

>> 著作権〜二次的著作物に関する権利〜


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