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ホーム << キーワード解説 最終更新 '08/5/28

引用・転載

参照条文

著作権法32条(引用)
1公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。


【対訳】

Article 32. (Quotations)

(1) It shall be permissible to quote from and thereby exploit a work already made public, provided that such quotation is compatible with fair practice and to the extent justified by the purpose of the quotation, such as news reporting, critique or research.

(2) It shall also be permissible to reproduce, as explanatory materials, in newspapers, magazines and other publications, public relations materials, statistical materials, reports and other similar works which have been prepared by organs of the State or local public entities or incorporated administrative agencies or local incorporated administrative agencies for the purpose of general public dissemination and made public under their authorship; provided, however, that the foregoing shall not apply where there is an express indication [on the work] that such reproduction has been expressly prohibited.


解説

1. 他人の著作物の「引用」(321項)


公表された著作物は、一定の要件を満たす場合には、当該著作物の著作者の承諾を得ることなく自由に「引用」することができます(321項)。

例えば、自説を展開するために自分の論文中に他人の論文の一部を「引用」する場合や、文芸作品の評論のなかで対象となる小説の一部を「引用」する場合などです。

但し、自由な「引用」が認められるのは、次の@〜Bの3つの要件のすべてが満たされる場合に限られる点に注意してください。


@ 引用して利用できるのは、「公表された」著作物に限られること。


未だ「公表」(4条参照)されていない他人の著作物を勝手に引用することはできません。仮に、以下の2つの要件を満たした引用であっても、他人の未公表著作物を無断で引用すると、著作者人格権(公表権)の侵害等の問題になりえます。


A その引用が「公正な慣行に合致する」ものであること。


正当な引用と認められるためには、社会通念上、他人の著作物を引用する必要性ないし必然性が一般的に認められる場合でなければなりません。

引用の方法(やり方)については、判例を参考にすれば、引用する側の著作物と引用される側の著作物とを「明瞭に区別して認識することができる」ような方法(例えば、引用された著作物であることが明瞭になるようカギ括弧で括って表示する等)を用いるこが要求されるでしょう。


B その引用が、報道、批評、研究その他の「引用の目的上正当な範囲内で行われる」ものであること。


正当な引用と認められるためには、引用する側の著作物と引用される側の著作物の両著作物間に、「前者が主、後者が従の関係」がなければならない、というのが判例の一般的な立場です。つまり、著作物の分量等ついて、自己の著作物が‘主’であって、引用される他人の著作物が‘従’である関係が認められる程度でなければならないとしています。どの程度ならこの「主従関係」があるかは、結局のところ著作物の性質や引用の目的等に照らして個別具体的に判断するしかないでしょう。なお、引用される著作物が短歌や詩、絵画、写真などの場合には、その全部の引用も可能であると考えられます。


C 上記@〜Bの要件を満たす限り、公表された著作物を「翻訳」して引用することも可能です(432号)。


なお、以上の要件を満たして自由に引用できる場合でも、引用する側には引用される著作物の出所を明示する義務(4811号・3号)がありますので注意してください。


2. 公的著作物の「転載」(322項)


国・地方公共団体の機関、独立行政法人等が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、「転載」を禁止する旨の表示がない限り、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に自由に転載することができます(322項)。

ここで、「刊行物」には、紙媒体のメディアに限らず、電子媒体(CD-ROMDVD等)による刊行物も含まれます。

引用の場合と同様に、転載される著作物の「出所明示義務」、「翻訳転載」に留意してください(4811号・3号、432号)。


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