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解説
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公表された著作物については、原則として自由に、入学試験その他「人の学識技能に関する試験又は検定」の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として、その著作物を「複製」し、又は「公衆送信」することができます(36条1項)。典型的な例としては、例えば、高校や大学の入学試験にすでに公表されている文芸作品(小説や詩など)を複製して掲載する場合や、学校の期末テストですでに公表されている地図やグラフ等を複製して掲載するような場合がこれに当たります。
「人の学識技能に関する試験又は検定」には、入学試験のほか、卒業試験や定期考査、公務員・看護師等の各種資格試験、一般企業の入社(採用)試験などが含まれます。
利用形態は、「複製」と「公衆送信」です。情報技術の進展によって、インタネットを使った試験や検定も行われている実態に考慮して、平成15年の改正によって「公衆送信」が追加されました。「公衆送信」(2条1項7号の2)には、「放送」・「有線放送」・「自動公衆送信(送信可能化を含む)」・「その他の公衆送信」がありますが、本規定によって自由になしうるのは、このうち、「放送」と「有線放送」を除いた部分、すなわち「自動公衆送信」と「その他の公衆送信」です。「放送」や「有線放送」のように同時に特定・不特定多数に送信できる形態は除かれています。具体的な例を挙げますと、例えば、インターネットのホームページ上に試験問題をアップロードしておき、パスワードを取得した学生からの個別のアクセスに応じて自動的に試験問題を送信する場合が「自動公衆送信」に、受験者からの電話でのリクエストに応じて教師がファックスや電子メールで試験問題を手動で送信する場合が「その他の公衆送信」にそれぞれ該当します。
なお、以上の要件を満たすものであれば、著作物を「翻訳」して複製・公衆送信することもできます(43条3号)。
以上のような状況であれば、原則として自由に公表された著作物を利用できるのですが、当該著作物の種類や用途、当該公衆送信の態様に照らして、「著作権者の利益を不当に害する」こととなる場合は、自由に複製したり公衆送信することはできません(36条1項但書)。例えば、試験会場ごとに購入されることが予定されている市販の英語ヒアリング教材を公衆送信する場合や、公表著作物を含んだ試験問題を受験者に限定しないで送信する場合などが該当するものと思われます。
なお、「営利を目的として」以上のような「複製」や「公衆送信」を行う場合には、著作権者の許諾を得る必要はありませんが、著作権者に「通常の使用料の額に相当する額の補償金」を支払わなければなりません(36条2項)。受験者から受験料を徴収して行われるいわゆる業者テストを想定したものです。
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