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ホーム << キーワード解説 最終更新 '08/07/28

編集著作物・データベース著作物

>> 著作権法12条
>> 著作権法12条の2

1.編集著作物・データベース著作物の意義


「編集著作物」とは、「編集物でその素材の選択又は配列によって創作性を有するもの」をいいます(121項)。例えば、新聞や雑誌、百科事典、美術全集、詩集、論文集、判例集、名曲集、英単語集、職業別電話帳、人名録などがこれに当たります。このような編集著作物は、その全体で一つの著作物として保護されます。

編集著作物を構成する「素材」は、著作物に限りません。非著作物(単なるデータや事実など)であってもよいし、すでに保護期間が経過して自由利用が可能になっている著作物でも構いません。既存の著作物と非著作物との混合であっても構いません。著作権の目的とならない著作物(13参照)であっても構いません。重要なのは、以上のような素材の「選択又は配列」であり、素材が具体的にどのように創意工夫を凝らして「選択」され又は「配列」されているかということです。


一方、「データベース著作物」とは、簡単に言ってしまうと編集著作物のコンピューター版のことで、「データベース<情報の集合物で、その情報をコンピューターで検索できるようにしたもの>でその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するもの」をいいます(12条の21項、2110号の3参照)。

編集著作物と同様に、その全体で一つの著作物として保護されます。要点は、情報の「選択又は体系的な構成」すなわち、コンピューターによって情報が用意に検索でき、蓄積された情報を効率的に利用するために、情報がどのように創意工夫を凝らして「選択」され又は「体系的に構成」されているかということです。データベース著作物を構成する「情報」が著作物に限らないのは、編集著作物の場合と同様です。


2.「素材」又は「情報」が現に保護されている著作物である場合の留意点


編集著作物又はデータベース著作物の保護は、編集物又はデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼしません(122項、12条の22項)。つまり、編集著作物又はデータベース著作物の保護は、そこに収録されている個々の著作物の保護とは別個のものであり、例えば、編集著作物又はデータベース著作物の保護期間は、その部分を構成する著作物とは別個に計算されます。また、編集著作物又はデータベース著作物の全体利用については、当該編集著作物又はデータベース著作物の著作権者の許諾のみでは足りず、これを構成する個々の著作物の著作権者の許諾をも必要とします。一方、編集著作物又はデータベース著作物に収録されている個々の著作物の利用については、そこに編集著作物又はデータベース著作物の著作権は及びません。従って、収録されている個々の著作物を利用する場合には、その個々の著作物の著作権者から許諾を得れば足ります。当該編集著作物又はデータベース著作物の著作権者の許諾は必要ありません。


  旧法では、「編集著作物」について次のような規定がありました:「数多ノ著作物ヲ適法ニ編集シタル者ハ著作者ト看做シ其ノ編集物全部ニ付テノミ著作権ヲ有ス但シ各部ノ著作権ハ其ノ著作者ニ属ス

  つまり、旧法下では、編集著作物がその全体で保護されるためには、他人の著作物を「適法ニ」編集していなければなりませんでした。これに対し、現行法では、このような適法要件は設けられていないため、「素材」又は「情報」として選択等された個々の著作物の著作権者に無断で作成された編集著作物又はデータベース著作物であっても著作権法による保護を受けることができます。もっとも、当該編集著作物又はデータベース著作物の利用に当たっては、その無断で収録された他人(個々の著作物の著作権者)の許諾なしに行うことはできません(無断利用をすれば、当該他人の著作権を侵害することになります)ので、結局、他人の著作物を自己の編集著作物の「素材」又は「情報」として収録する場合には、事前に当該他人の許諾を得ておくことが賢明であるといえます。注意してください。


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