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ホーム << キーワード解説 最終更新 '08/08/20

著作者人格権

>> 著作権法18条1項
>> 著作権法19条1項
>> 著作権法20条1項

著作者は、著作物を創作することにより、「著作者人格権」(181項、191項、201項)と「著作権」(21条〜28条)という2種類の権利を享有することになります(171)。

「著作権」は、著作権法上の正確な用語の意味としては、著作者の「財産的利益を保護する権利」すなわち「著作財産権」のみを指します。これに対し、「著作者人格権」は、文字通り、著作者が自己の著作物に対して有する「人格的・精神的利益を保護する権利」を意味しています。そして、この「著作者人格権」には、以下に解説しますように、3つの権利、すなわち、「公表権」(181項)・「氏名表示権」(191項)・「同一性保持権」(201項)という名の権利が含まれています。


著作者人格権の享有には、いかなる方式の履行をも必要としません(172)。つまり、著作者人格権は、どこかの公的機関に自分の著作物を登録したり、納本等しなくても、「著作者が著作物を創作したという事実のみによって当然に発生する」ことを意味しています。これを「無方式主義」と呼んでいます。

著作者人格権は、著作者の一身に専属し、他人に譲渡(売買したり、相続させたり)することはできません(59)。これを「著作者人格権の一身専属性」といいます。それ故にまた、著作者人格権は、著作者の死亡によってそれと同時に消滅することになります。もっとも、著作者が死亡した後であっても、その著作者が生存しているとしたならば著作者人格権の侵害となるべき行為については、一定の要件の下で禁止されています(60)。



公表権について


公表権とは、簡単に言いますと、「自己の未公表著作物(「公表」(4参照)されたが、著作者の同意を得ていないものを含みます。)を公衆に提供・提示する権利」です(181項)。
 より具体的には、次の3つの権利を含みます。
 @自己の著作物を公表するか否かを決定する権利
 A公表するとしたならば、いかなる態様で公表するか(例えば、出版か、上演か、放送か等)を決定する 権利
 Bいつ・いかなる時期に公表するかを決定する権利

従って、著作者の同意を得ずに無断で他人の著作物を公表してしまう行為などはこの公表権の侵害となりますが、公表権は、著作者が第三者に対し自己の著作物を公衆に提供・提示することを積極的に請求する権限まで認めるものではありません。

なお、原著作物が未公表である、未公表の二次的著作物を公衆に提供・提示する場合には、当該二次的著作物の著作者の同意のみならず、当該原著作物の著作者の同意をも必要になりますので注意してください(181項後段)。
 ただし、公表権の行使には、一方で、一定の制約(182項〜4項参照)がありますので、著作者はこの点に配慮する必要があります。



氏名表示権について

著作者は、その著作物の原作品に、又はその複製物の公衆への提供・提示に際し、その実名・変名を著作者名として表示することとする権利、又は著作者名を表示しないこととする権利を有します(191項)。
 氏名表示権は、著作者が自己の著作物の創作者であることを主張するために、その著作物の原作品又はその複製物に著作者名を表示するのか否か、表示するとしたら実名を表示するのか変名(ペンネーム・雅号など)を表示するのかを決定する権利です。二次的著作物の公衆への提供・提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様の権利があります(191項後段)。
 なお、本権利の行使にも一定の制約がありますので注意してください(192項〜4項参照)。



同一性保持権について

著作者は、その「著作物」又は「題号」に、「その意に反して改変(変更・切除等)を受けない」権利を有します(201項)。これを「同一性保持権」といいます。例えば、著作者に無断で、他人がスペースの都合上著作物の一部を勝手にカットしたり、再編集等する行為は、原則として同一性保持権の侵害となります。これらの行為によって著作物が質的に劣ったものになるか否かは問題ではありません。
 著作物の「題号」(タイトル)そのものは、通常、「著作物」とは言えず、従ってこれに著作権が発生することは通常ありません。しかし一方で、著作物の題号は当該著作物と結合して一体となって著作物の同一性を表象する役割を担うことから、小説や音楽のなどの題号の無断改変も同一性保持権の侵害になりうる点に注意してください。
 しかし、以上のような同一性保持権も、「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしてやむを得ないと認められる改変」には及びません(202項各号)。例えば、明らかの誤字脱字を修正する場合、絵画の出版にあたり印刷技術上の制約により原画の微妙な色彩が忠実に再現できない場合などが、これに該当するでしょう。

>> 著作者人格権の侵害


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