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  著作権法25条(展示権) 

  著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。 

最終内容確認日2012/04/24

解説 

 本条は、
美術の著作物又は未発行の写真の著作物の著作者が、当該著作物をこれらの原作品により公に展示する排他独占的権利(「展示権」)を有することを定めています。

 
展示権の目的となる著作物は、「美術の著作物」と「写真の著作物」だけです。これら以外の著作物、例えば、小説や詩集などの原作品の展示に展示権が及ぶことはありません

 
展示権が働くのは著作者の思想又は感情が最も忠実に表現された「原作品」の展示に限られる点に注意してください。複製物の展示には及びません
 絵画や手彫りの彫刻など、通常、オリジナルが1品(1作品)しか制作されないものについての「原作品」はまさにその1品ということになりますが、版画や写真の場合には、著作者がオリジナルであると考えて作成したもの(例えば、初回刷りのものをオリジナルとするなど)であれば、複数であってもすべて「原作品」として扱って差し支えないと解されています(ちなみに、版画のもとになっている版木、写真のネガフィルム自体は「原作品」ではありません)。そのため、通常は1品しか創作されない美術の著作物の原作品との均衡を考慮して、写真の著作物について展示権が及ぶのは、「まだ発行されていない」(未発行の)ものに限定されています(美術の著作物については、発行・未発行の別を問いません)。なお、「発行」については、解釈規定があります(3参照)。

 
「展示権」は、美術の著作物又は未発行の写真の著作物の原作品を「公に」展示する場合に著作者に認められる権利です。「公に」というのは、著作権法では、「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として」という意味で統一して使われています。ここで、「公衆」とは、不特定の者又は特定多数の者をいいます(25参照)。この定義から、著作権法上、「特定少数」は「公衆」に該当しないため、家庭内やそれに準ずるごく限られた友人間におけるような「特定少数」に対する展示には、そもそも展示権は及ばないことになります。

 
美術の著作物又は写真の著作物の原作品に係る本条の展示権と、その原作品の所有権との調整を図るための規定が別に設けられています(45参照)。

 
美術の著作物の著作者が、その原作品の事後の売買(再売買)について、その収益の配分にあずかる権利(いわゆる「追及権」(ベルヌ条約14条の3、フランス知的所有権法典に関する法律122-8条参照))については、美術作品の売買が公開のオークションではほとんど行われていないわが国においては、現在のところ認められていません。


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関連条約 

ベルヌ条約14条の3
Article 14ter
(1) The author, or after his death the persons or institutions authorized by national legislation, shall, with respect to original works of art and original manuscripts of writers and composers, enjoy the inalienable right to an interest in any sale of the work subsequent to the first transfer by the author of the work.
(2) The protection provided by the preceding paragraph may be claimed in a country of the Union only if legislation in the country to which the author belongs so permits, and to the extent permitted by the country where this protection is claimed.
(3) The procedure for collection and the amounts shall be matters for determination by national legislation.

(1) 著作者(その死後においては、国内法令によって権限が付与される人又は団体)は、美術の著作物の原作品並びに作家及び作曲家の(オリジナルの)原稿に関して、当該著作者による最初の譲渡に引き続いて行われる当該著作物(原作品・原稿)の(再)売買において、その利益をあずかる、譲渡することのできない権利を享受する。
(2) 前項に規定する保護は、著作者がその国民である国の法令がそのような保護を認める場合に限り、かつ、この保護が主張される国の法令によって許容される範囲においてのみ、同盟のいずれかの国で主張することができる。
(3) (再売買の利益に関する)徴収手続き及び額は、国内法令によって決定される問題とする。

参考資料 

フランス知的所有権法典に関する法律122-8(1)(2)
Art. L. 122–8.
(1) Authors of graphic and three–dimensional works shall have an inalienable right, regardless of any transfer of the original work, to participate in the proceeds of any sale of such work by public auction orthrough a dealer.
(2) The royalty levied shall be a uniform 3% applicable only on a selling price above an amount to be laid down by regulation.

(1) 図形及び造形の著作物の著作者は、当該著作物のオリジナル作品の譲渡に拘わらず、公開のオークション[競売]による又は仲介業者を通じた当該オリジナル作品の販売の収益にあずかる、譲渡することができない権利を有する。
(2) 徴収されるロイヤリティー[使用料率]は、一律に3%とし、規則に定める額を超える販売価格についてのみ適用される。











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