著作権条文プラス[トップに戻る]







  著作権法47条の9(複製権の制限により作成された複製物の譲渡) 

  第31条第1項(第1号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)、第32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項若しくは第4項、第34条第1項、第35条第1項、第36条第1項、第37条、第37条の2(第2号を除く。以下この条において同じ。)、第39条第1項、第40条第1項若しくは第2項、第41条から第42条の2まで又は第46条から第47条の2までの規定により複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物(第31条第1項、第35条第1項、第36条第1項又は第42条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を含む。以下この条において同じ。)を除く。)の譲渡により公衆に提供することができる。ただし、第31条第1項、第33条の2第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2、第41条から第42条の2まで又は第47条の2の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(第31条第1項、第35条第1項又は第42条の規定に係る場合にあつては、映画の著作物の複製物を除く。)を、第31条第1項、第33条の2第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2、第41条から第42条の2まで又は第47条の2に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りでない。 

最終内容確認日2010/02/26

解説 

 本条は、譲渡権(26条の2)の創設に伴い設けられた規定で、複製権(21)を制限することによって作成された複製物(自由複製の認められたもの)についての譲渡行為に対して譲渡権を及ぼすことが妥当でないと認められる場合に、必要に応じて、譲渡権も制限する旨を規定したものです。

 
著作権法においては、著作物の「公正な利用」(1)を確保するため、所定の要件の下で複製権(21条)を制限する規定がかなり多く設けられています。これらの規定の適用を受けて適法に作成された複製物が譲渡できない場合(すなわち、適法複製物の公衆への譲渡に譲渡権の効力を及ぼす場合)には、その適法に複製した物を事実上活用することができなくなってしまいます。そこで、複製権の制限規定により適法に作成された複製物の譲渡に対しては、複製権を制限したそもそもの目的以外の目的で譲渡する場合を除いて、譲渡権も制限する旨を規定したものです。
 
例えば、
図書館等においては、所定の要件を満たす場合には、その利用者の求めに応じ、図書館資料を用いて著作物を自由に「複製」することができるとされていますが(3111)、この規定の適用を受けて作成された複製物を当該利用者に提供する(コピーを依頼者に渡す)場合に譲渡権が及ぶこととすると、自由複製を認めた当該規定の趣旨が実質的に没却されることになるため、そのような譲渡(提供)行為に対して譲渡権を制限することを原則的に認めたものです。
 
学校などの非営利教育機関では、所定の要件を満たす場合には、その授業の過程で使用することを目的として、公表された著作物を自由に「複製」することができる(351)のですが、この規定の適用を受けて作成された複製物(例えば、国語の教師が、自身が担当する授業の教材として使用するために、新聞の特定の記事を、実際に授業を受ける生徒の人数分コピーしたもの)を生徒に配布するような場合にも、同様に、譲渡権は制限されることになります。

 
以上のように、所定の規定の適用を受けて適法に作成された複製物を譲渡する場合であっても、当該所定の規定に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合は、譲渡権は制限されず、そのような複製物の公衆への譲渡には譲渡権が及ぶことになります(ただし書)。
 
上述の例で言えば、国語の教師が自身の担当する授業の教材として使用するために生徒の人数分コピーしたものを、「
その授業の過程における使用に供することを目的とする」(351項)とは言えないような場面で譲渡する場合(例えば、放課後、その国語の授業とは全く関係のない、その教師が顧問を務める新聞部の活動に供するため、新聞部に所属する生徒たちに当該コピーを配布するような場合)においても、譲渡権を制限するものではありません(なお、4911も参照)。

 
所定の規定により適法に複製することができる著作物であっても、一定の規定の適用を受けて作成された映画の著作物の複製物については、その映画の著作物の複製物を公衆に自由に譲渡することができない(譲渡権すなわち頒布権が制限されない)場合があります(かっこ書)。映画の著作物の属性と利用実態に着目した特例です。











相談してみる

ホームに戻る