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著作権法48条 

【条文】

1 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
 [1] 32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の21項、第37条第1項、第42条又は第47条の規定により著作物を複製する場合
 [2] 34条第1項、第37条第3項、第372、第39条第1項、第40条第1項若しくは第2項又は第47条の2の規定により著作物を利用する場合
 [3] 32条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第35条、第36条第1項、第38条第1項、第41条若しくは第46条の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。

2 前項の出所の明示に当たっては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。

3 43条の規定により著作物を翻訳し、編曲し、変形し、又は翻案して利用する場合には、前二項の規定の例により、その著作物の出所を明示しなければならない。 


【解説】

 本条は、著作権に係る各種制限規定により著作物の自由利用が認められる場合であっても、その利用態様に応じた出所の明示を義務づけた規定です。
 現行法では、著作権の制限規定により著作物を利用できるすべての場合について出所の明示義務を課しているのではなく、出所の明示を義務づけることが妥当と考えられる一定の場合に限定して当該義務を定めています。特に、複製(有形的再製)以外の無形的利用(上演や演奏など)については、実情(出所を明示する慣行の有無)に即した取扱いをしています(13号参照)。
 なお、二次的著作物を利用する場合のその出所の明示については、当該二次的著作物のみならず、その原著作物の出所の明示も必要になると解されます。
 著作権の制限規定により著作物を自由に利用できる場合に、本条で要求する出所の明示をしないときは、それによって著作権侵害となるわけではありません。もっとも、本条の義務違反については罰則が定められている122条)ことに注意が必要です
 出所の明示の具体的な方法(やり方)としては、「その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度」1項)によりなされることになりますが、通常は、少なくとも、当該著作物の題号と著作者名の明示が必要であると解されます。また、これらの題号や著作者名は、利用する当該著作物に接着して表示することが原則的方法であると解されており、従って、例えば、これらを参考文献として巻頭又は巻末に一括表示するようなやり方は「合理的と認められる」明示とは認められません。
 
出所の明示に当たっては、「著作者名」を示すことが原則ですが、「出所の明示に伴い著作者名が明らかになる場合」と「当該著作物が無名のものである場合」には、著作者名を表示する必要はありません(2項)。ここで、「出所の明示に伴い著作者名が明らかになる場合」とは、例えば、「川端康成全集」のように、著作物の題号を明示すれば同時に著作者名も表示することとなる場合があります。一方、「当該著作物が無名のものである場合」に著作者名を表示する必要がないとしたのは、無名の著作物はその著作者において自己の氏名を表示しない権利を行使したものと考えられるため(191項参照)、当該著作物の利用時にその著作者名を表示することは、かえって当該著作者の保護につながらず、また、その必要性もないと考えられるからです。

【重要判例】

・ 「KLS著作権判例エッセンス>法48条(出所の明示)の意義と解釈」参照


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