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Article 92-2(送信可能化権)

1 実演家は、その実演を送信可能化する権利を専有する。

2 前項の規定は、次に掲げる実演については、適用しない。
<1> 第91条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得て録画されている実演
<2> 第91条第2項の実演で同項の録音物以外の物に録音され、又は録画されているもの

最終内容確認日2010/07/06

解説 

 本条は、実演家(214)が、その実演を「送信可能化」することに関して、一定の場合を除いて、「送信可能化権」という排他独占的権利を有することを規定したものです。
 
「送信可能化権」は、実演家の財産的利益を保護するために創設された「著作隣接権」の1つです(891項・6)。

 「送信可能化」とは、いわばインタラクティブ送信(自動公衆送信)の前段階の状態のことで、実際に自動公衆送信があったかどうかを問わず、また、複製(2115参照)行為があったかどうかを問わず、サーバーとの関係で一定の行為をすることにより著作物を自動公衆送信し得る状態に置くことを意味します。
 
「送信可能化」については、送信用コンピュータであるところのいわゆるサーバー(著作権法は、これを「自動公衆送信装置」と呼んでいます。)に入力されている情報が公衆からのから求めに応じて自動的に送信される点に着目して、サーバーとの関係においてその利用態様を規定しています。具体的には、次のような行為によって「送信可能化」が起こります(219号の5)。
() ネットワーク(電気通信回線)に接続されている状態にあるサーバー(自動公衆送信装置)に情報を記録・入力等(いわゆるアップロード)する行為。
() 情報が記録され又は入力された状態にある、ネットワークに接続されていないサーバーをネットワークに接続する行為。

 送信可能化に続く「送信行為」(自動公衆送信)には、実演家の権利は認められていません。そのため、実際の送信行為の回数に応じた使用料の支払いといったシステムを実演家が希望する場合には、送信可能化を許諾する際の契約においてその旨の条項を入れておくべきでしょう。

 適法に作成された録画物(22号の場合は録音物も)による実演の送信可能化に対しては、実演家の送信可能化権は及びません(2項)。
 
この「適法に作成された録画物」(22号の場合は録音物も)には、録画権を有する者(実演家)から許諾を得て作成(録画)されたもの(1)と、録音権・録画権を有する者(実演家)の許諾を得ずに増製することが許される映画の増製物(912項)に録音・録画されているもの(2)が含まれます。
 
実演家の許諾を得て「録音」されている実演については、送信可能化権が及ぶ点に注意してください。例えば、ある放送局が放送とインターネット放送に同じレコード(実演家の許諾を得て録音されたもの)を利用する場合、放送・有線放送する際にはあらためて実演家の許諾を得る必要はありませんが(9222号イ)、サーバーにアップロードする際にはあらためて実演家の送信可能化権の許諾を得なければなりません。


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関連条約 

◆WIPO実演及びレコード条約10条(固定された実演の利用可能化権)

Article 10(Right of Making Available of Fixed Performances)
Performers shall enjoy the exclusive right of authorizing the making available to the public of their performances fixed in phonograms, by wire or wireless means, in such a way that members of the public may access them from a place and at a time individually chosen by them.

実演家は、レコードに固定された自己の実演について、有線又は無線の方法により、公衆によって個別に選択される場所から及び個別に選択される時に公衆のそれぞれが当該実演にアクセスできる態様で、当該自己の実演を利用可能とすることを許諾する排他独占的権利を享受する。











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