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Article 95-3(貸与権等)
1 実演家は、その実演をそれが録音されている商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、最初に販売された日から起算して1月以上12月を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した商業用レコード(複製されているレコードのすべてが当該商業用レコードと同一であるものを含む。以下「期間経過商業用レコード」という。)の貸与による場合には、適用しない。
3 商業用レコードの公衆への貸与を営業として行う者(以下「貸レコード業者」という。)は、期間経過商業用レコードの貸与により実演を公衆に提供した場合には、当該実演(著作隣接権の存続期間内のものに限る。)に係る実演家に相当な額の報酬を支払わなければならない。
4 第95条第5項から第14項までの規定は、前項の報酬を受ける権利について準用する。この場合において、同条第10項中「放送事業者等」とあり、及び同条第12項中「第95条第1項の放送事業者等」とあるのは、「第95条の3第3項の貸レコード業者」と読み替えるものとする。
5 第1項に規定する権利を有する者の許諾に係る使用料を受ける権利は、前項において準用する第95条第5項の団体によつて行使することができる。
6 第95条第7項から第14項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合においては、第4項後段の規定を準用する。 |
最終内容確認日2010/07/13
本条は、実演家がその実演を「商業用レコード」(2条1項7号)の貸与により公衆に提供することに関し、商業用レコードの最初の販売後短期間にのみ働く排他独占的権利(貸与権)を有すること、並びに、当該期間が経過した後は、貸レコード業者は実演家に相当な額の報酬を支払うべき旨等を規定したものです。
貸与権は「公衆」に商業用レコードを貸与する権利ですから、「公衆」以外の者、すなわち「特定少数」の者(2条5項参照)への貸与行為にはそもそも貸与権は働きません。
本権利の中心的な概念である「貸与」には、いずれの名義又は方法をもってするかを問わず、貸与と同様の使用の権原を取得させる行為(つまり、実質的に貸与と同視しうる行為)を含むとしています(2条8項)。
例えば、次のような行為は、通常、「貸与」に該当するものと解されます。
レンタルCD(商業用レコード)ショップ(貸レコード業者)が利用者にCDを売却し、数日後に一定の買戻し料(実質的にはレンタル料)を差し引いて買い戻す行為。
会員組織にしてCD(商業用レコード)を共同購入したという形をとり、会員はレンタル料程度の会費を主催者であるレンタルCDショップ(貸レコード業者)に支払う行為。
貸与権の保護期間は、実演家に対する他の著作隣接権と同様に、その実演を行った時から50年ですが(101条参照)、貸与権に関しては、2項によって、これを実際に行使することができる期間が商業用レコードの最初の販売日から起算して12月間に限定されることになります(著作権法施行令57条の2参照)。この「12月」の起算点は、複製されているレコードのすべてが同一である商業用レコードは、これをまとめて(一括して)同じ商業用レコードと捉えて、その最初の発売(販売)日であると解されます。
もっとも、最初の発売後12月を経過して貸与権が行使できなくなった後でも、著作隣接権の存続期間内に貸レコード業者が公衆に対して行った商業用レコードの貸与に対しては、当該実演に係る実演家に「相当な額の報酬」を受ける権利が認められることになります(3項)。
実演家の「報酬を受ける権利」(3項)は、実演家の二次使用料を受ける権利の場合(95条5項)と同様には、「国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するもの」(現在この指定を受けている団体は、「(社)日本芸能実演家団体協議会」(いわゆる「芸団協」)です。)があるときは、当該団体によって「のみ」行使することができるものとされています(4項)。当該報酬の支払いを実効性のあるものとするために設けられたものと解されます。
これに対し、「貸与権を有する者の許諾に係る使用料を受ける権利」については、上記の指定団体によって「行使することができる」(当該指定団体を通して権利行使するシステムを採用することも可能であるということ)と規定されています(5項)。
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◆著作権法施行令57条の2(貸与権の適用に係る期間)
法第95条の3第2項の政令で定める期間は、12月とする。
◆WIPO実演及びレコード条約9条(貸与権)
Article 9(Right of Rental)
(1) Performers shall enjoy the exclusive right of authorizing the
commercial rental to the public of the original and copies of their
performances fixed in phonograms as determined in the national law of
Contracting Parties, even after distribution of them by, or pursuant to,
authorization by the performer.
(1) 実演家は、レコードに固定された自己の実演の原作品及び複製物を、自己の許諾によって又は自己の許諾に基づいて譲渡した後においても、締約国の国内法令で定めるところにより、公衆に商業的に貸与することを許諾する排他独占的権利を享受する。
(2) Notwithstanding the provisions of paragraph (1), a Contracting
Party that, on April 15, 1994, had and continues to have in force a system of
equitable remuneration of performers for the rental of copies of their
performances fixed in phonograms, may maintain that system provided that the
commercial rental of phonograms is not giving rise to the material impairment
of the exclusive right of reproduction of performers
Agreed statement
concerning Articles 2(e), 8, 9, 12,
and 13: As used in these Articles, the expressions “copies” and
“original and copies,” being subject to the right of distribution and the right
of rental under the said Articles, refer exclusively to fixed copies that can
be put into circulation as tangible objects.
(2) パラグラフ(1)の規定にかかわらず、1994年4月15日の時点で、レコードに固定された実演の複製物の貸与に対して、実演家に公平な報酬が分配されるシステムを有効に有しており、しかも、以後もそのシステムを有し続ける締約国においては、当該システムを維持することができる。もっとも、レコードの商業的貸与が、実演家の複製に関する排他独占的権利を著しく害する状態を生じさせていないことを条件とする。
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