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Article 113(侵害とみなす行為)
1 次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
<1> 国内において頒布する目的をもつて、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によつて作成された物を輸入する行為
<2> 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によつて作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知つて、頒布し、頒布の目的をもつて所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもつて所持する行為
2 プログラムの著作物の著作権を侵害する行為によつて作成された複製物(当該複製物の所有者によつて第47条の3第1項の規定により作成された複製物並びに前項第1号の輸入に係るプログラムの著作物の複製物及び当該複製物の所有者によつて同条第1項の規定により作成された複製物を含む。)を業務上電子計算機において使用する行為は、これらの複製物を使用する権原を取得した時に情を知つていた場合に限り、当該著作権を侵害する行為とみなす。
3 次に掲げる行為は、当該権利管理情報に係る著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
<1> 権利管理情報として虚偽の情報を故意に付加する行為
<2> 権利管理情報を故意に除去し、又は改変する行為(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による場合その他の著作物又は実演等の利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる場合を除く。)
<3> 前二号の行為が行われた著作物若しくは実演等の複製物を、情を知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて輸入し、若しくは所持し、又は当該著作物若しくは実演等を情を知つて公衆送信し、若しくは送信可能化する行為
4 第94条の2、第95条の3第3項若しくは第97条の3第3項に規定する報酬又は第95条第1項若しくは第97条第1項に規定する二次使用料を受ける権利は、前項の規定の適用については、著作隣接権とみなす。この場合において、前条中「著作隣接権者」とあるのは「著作隣接権者(次条第4項の規定により著作隣接権とみなされる権利を有する者を含む。)」と、同条第1項中「著作隣接権」とあるのは「著作隣接権(同項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。)」とする。
5 国内において頒布することを目的とする商業用レコード(以下この項において「国内頒布目的商業用レコード」という。)を自ら発行し、又は他の者に発行させている著作権者又は著作隣接権者が、当該国内頒布目的商業用レコードと同一の商業用レコードであつて、専ら国外において頒布することを目的とするもの(以下この項において「国外頒布目的商業用レコード」という。)を国外において自ら発行し、又は他の者に発行させている場合において、情を知つて、当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布する目的をもつて輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為は、当該国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることにより当該国内頒布目的商業用レコードの発行により当該著作権者又は著作隣接権者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限り、それらの著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。ただし、国内において最初に発行された日から起算して7年を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した国内頒布目的商業用レコードと同一の国外頒布目的商業用レコードを輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもつて所持する行為については、この限りでない。
6 著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。 |
本条は、本来的・形式的には、次の各権利、すなわち、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権、著作隣接権の各権利を侵害する行為に当たらないが、著作者若しくは実演家の人格的利益、又は著作権者、出版権者若しくは著作隣接権者の経済的利益を実質的に害することとなる一定の類型に属する行為については、これを権利の侵害行為とみなして、権利者の保護を強化しようとする規定です。
「権利管理情報」の意義については、法2条1項21号参照。
本規定により、「当該権利管理情報に係る著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為」は、次のとおりです:
@ 権利管理情報として虚偽の情報を故意に付加する行為
A 権利管理情報を故意に除去する行為
B 権利管理情報を故意に改変する行為
(注)上記A及びBについては、「記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による場合その他の著作物又は実演等の利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる場合」には、当該除去行為又は改変行為は、侵害行為とはみなされません。
C 上記@〜Bの行為が行われた著作物・実演等の複製物を、情を知って、頒布し、若しくは頒布の目的をもって輸入し、若しくは所持し、又は当該著作物・実演等を情を知って公衆送信し、若しくは送信可能化する行為
「虚偽の情報を付加する行為」(1号)とは、例えば、権利者でない者を権利者として特定する情報を付け加える行為、権利者が認めていない条件を利用許諾条件として付け加える行為などが、これに該当します。
権利者の同意を得て権利管理情報を除去ないし改変する行為は、違法性がないと考えられるため、当該権利を侵害する行為とはみなされないと解されます。また、当事者間で権利(例えば著作権)の譲渡が適法に行われた場合に、権利管理情報に係る「著作権等を有する者を特定する情報」につき、当該譲受人(新著作権者)の名義に改める行為もまた、侵害行為を構成することにはならないと解されます。
解説(6項)・重要判例
最終内容確認日2010/04/17 |
「著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為」は、その著作者人格権を侵害する行為とみなされます(6項)。
公表権(18条1項)、氏名表示権(19条1項)、同一性保持権(20条1項)のいずれも侵害しない場合であっても、著作者の社会的評価を低下させる方法によって、あるいは、著作物の芸術的価値を著しく損なうような形で著作物を利用する行為等は、著作者の人格的利益を実質的に損なうことになることから、そのような利用行為を侵害行為とみなしているものです。例えば、荘厳な楽曲を卑猥な踊りに合わせて演奏する行為や芸術的な絵画を性風俗店の看板に使う行為などは、おそらく本項の行為に該当するものと思われます。
「著作権法113条5項(現6項)の規定が,著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為を著作者人格権の侵害とみなすと定めているのは,著作者の民法上の名誉権の保護とは別に,その著作物の利用行為という側面から,著作者の名誉又は声望を保つ権利を実質的に保護する趣旨に出たものであることに照らせば,同項所定の著作者人格権侵害の成否は,他人の著作物の利用態様に着目して,当該著作物利用行為が,社会的に見て,著作者の名誉又は声望を害するおそれがあると認められるような行為であるか否かによって決せられるべきである。」(「日本経済新聞連載記事引用事件」)
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◆WIPO著作権条約12条(権利管理情報に関する義務)
Article
12(Obligations concerning Rights Management Information)
(1) Contracting Parties shall
provide adequate and effective legal remedies against any person knowingly
performing any of the following acts knowing, or with respect to civil remedies
having reasonable grounds to know, that it will induce, enable, facilitate or
conceal an infringement of any right covered by this Treaty or the Berne
Convention:
(i) to remove or alter any electronic
rights management information without authority;
(ii) to distribute, import for
distribution, broadcast or communicate to the public, without authority, works
or copies of works knowing that electronic rights management information has
been removed or altered without authority.
(1) 締約国は、この条約又はベルヌ条約が対象とする権利の侵害を誘引し、可能にし、容易にし又は隠蔽することを知りながら(民事上の法的救済に関しては、そのような侵害を誘引し、可能にし、容易にし又は隠蔽することを知っている合意的な理由がありながら)、次に掲げる行為を故意に行う者について、その者に対抗するための十分かつ効果的な法的救済を定めるものとする。
(i) 電磁的な権利管理情報を、権限なく、除去し又は改変すること。
(ii) 電磁的な権利管理情報が権限なく除去され又は改変されていることを知りながら、著作物(の原作品)又は著作物のコピー[複製物]を、権限なく、頒布し、頒布のために輸入し、放送し又は公衆に伝達すること。
(2) As used in this Article,
“rights management information” means information which identifies the work,
the author of the work, the owner of any right in the work, or information
about the terms and conditions of use of the work, and any numbers or codes
that represent such information, when any of these items of information is
attached to a copy of a work or appears in connection with the communication of
a work to the public.
(2) この条約において、「権利管理情報」とは、当該著作物、当該著作物の著作者、当該著作物に係る権利を有する者又は当該著作物の利用許諾条件に関する情報を特定するための情報、並びにそのような情報を表示する数字又は符号であって、これらの項目に係る情報が著作物のコピー[複製物]に付加されているもの又は著作物の公衆への伝達に関連して現れるものを意味する。
Agreed statements concerning
Article 12: It is understood that the
reference to “infringement of any right covered by this Treaty or the Berne
Convention” includes both exclusive rights and rights of remuneration.
It is further understood that Contracting Parties will not rely on this
Article to devise or implement rights management systems that would have the
effect of imposing formalities which are not permitted under the Berne
Convention or this Treaty, prohibiting the free movement of goods or impeding
the enjoyment of rights under this Treaty.
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