著作権条文プラス[トップに戻る]







  著作権法119条(罰則) 

  1 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第30条第1項(第102条第1項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第113条第3項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第4項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第120条の2第3号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第113条第5項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第3号若しくは第4号に掲げる者を除く。)は、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 <1> 著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者(第113条第3項の規定により著作者人格権又は実演家人格権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)
 <2> 営利を目的として、第30条第1項第1号に規定する自動複製機器を著作権、出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者
 <3> 第113条第1項の規定により著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者
 <4> 第113条第2項の規定により著作権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者
 

最終内容確認日2012/03/20

解説・重要判例 

 
本条は、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者、これらの権利を侵害する行為とみなされる行為を行った者、著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者等に対して、所定の要件の下で、刑罰を科す旨を規定したものです。

 
犯罪の成立要件として、一般的には、行為者(具体的な行為を実行した者)の「故意」(自己の行為が犯罪構成要件に該当する(かもしれない)ことを認識等していること)が必要であるため、著作権侵害罪等、著作権法中の刑罰の成立においても、行為者に故意の存することが要件となります。
 
なお、日本国民が日本国外において著作権法に掲げる罪を犯した場合にも、刑法が適用されることになります(刑法3条、刑法施行法271号)。

 
[参照:刑法38(故意)]
 
1 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
 
2 重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
 
3 法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。

 
本条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない、つまり、親告罪であるとされています(1231)。本条における保護法益は、第一に、著作者等の人格的又は経済的利益、つまり個人的保護法益であって、当該個人の意思が尊重されるべきだとする考えの現れだと解されます。

 
30条第1項に定める私的使用の目的をもって自ら著作物若しくは実演等の複製を行った者」は、「著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者」から除かれています(1項かっこ書)。
 
「私的使用」すなわち「(著作物等を)個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」を目的とする場合であって、「公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製する」行為や、「著作権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う」行為等は、侵害行為となりえます(301項各号参照)。しかしながら、これらの行為はその違法性が軽微であると考えられることから罰則は適用しないこととしました。もっとも、「営利を目的として、第30条第1項第1号に規定する自動複製機器を著作権、出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者」には刑罰が科されます(本条22号)。

 重要判例
   ・ 『KLS著作権判例エッセンス>権利侵害と罰則』参照












相談してみる


ホームに戻る