著作権重要判例要旨[トップに戻る]







複製権又は翻案権侵害の判断基準
「灯籠の美術作品事件」平成71019日京都地方裁判所(平成6()2364
 

 著作権侵害行為は、既存の著作物を利用してある作品を作出する場合に成立するが、その利用の態様としては、@既存の著作物と全く同一の作品を作出した場合、A既存の著作物に修正増減を加えているが、その修正増減について創作性が認められない場合、B既存の著作物の修正増減に創作性が認められるが、原著作物の表現形式の本質的な特徴が失われるに至っていない場合、C既存の著作物の修正増減に創作性が認められ、かつ、原著作物の表現形式の本質的な特徴が失われてしまっている場合が存在する。そして、著作権(著作財産権)との関係からいえば右@Aの場合は著作権中の複製権(著作権法21条)の侵害であり、右Bの場合は著作権中の改作利用権(同法27条)の侵害であり、右Cの場合には、全く別個独立の著作物を作出するものであって、著作権侵害を構成しない。また、著作者人格権との関係からいえば、右ABの場合が同一性保持権の侵害であり(最高裁判所昭和55328日判決参照)、右Cの場合は著作財産権の場合と同様、侵害にあたらない。したがって、著作権ないし著作者人格権に対する侵害の有無は、原作品における表現形式上の本質的な特徴自体を直接感得することができるか否かにより決められなければならない
 
そして、@著作物が思想又は感情を創作的に表現したものであって、同一人による著作物であっても個々の著作物により別々にその表現は異なるものであり、著作者の思想ないし感情は、いわばその著作物の個性に具現されていると考えられること、A著作権の享有にいかなる方式の履行も要しないことを考えると、前項にいう「表現形式上の本質的特徴」は、それぞれの著作物の具体的な構成と結びついた表現形態から直接把握される部分に限られ、個々の構成・素材を取り上げたアイデアや構成・素材の単なる組み合わせから生ずるイメージ、著作者の一連の作品に共通する構成・素材・イメージ(いわゆる作風)などの抽象的な部分にまでは及ばないと解するべきである。
 (略)
 原告は、原告の著作物の表現形式上の本質的な特徴は、いわゆる従来の「火もらい」とは異なるデザイン重視の容器を製作し、さらにその容器内部に液体を満たして、その表面上に発光体を浮かべて、一体のものとして幽玄な空間を表現している点に存する旨主張するが、こうした点は個々の著作物を離れた抽象的なアイデアに属するものであり、右の点の類似のみを理由として著作権侵害の有無を論じることはできない











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