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第一発行年月日等登録-他の共有著作権者に対して不実の登録の抹消を請求できるか-
「自動作図システム『スーパー土木』開発委託契約事件」
平成140829日大阪地方裁判所(平成11()965 

【コメント】本件は、ソフトウエア開発委託契約(「本件開発委託契約」)に基づき、被告イーウェーヴに自動作図システムソフトウエア「スーパー土木」(「本件ソフトウエア」)の開発を委託した原告が、本件ソフトウエアの著作権の共有持分に基づき、被告イーウェーヴに対し、プログラム登録(著作権法761項に基づく第一公表年月日登録)の抹消登録手続等を求めた事案です。
 本件では、本件ソフトウエアの著作権は、著作者である被告イーウェーヴに原始的に帰属するところ、「原告は、平成9725日、被告イーウェーヴから、本件ソフトウエアの著作権の持分の9割の移転を受けたものというべきであり、これにより、本件ソフトウエアは、原告と同被告との共有に係る著作物になったものと認められる。」とし、本件ソフトウェアの著作権について、原告がその9割、被告イーウェーヴが1割でその持分割合を有する旨の合意が成立したものと認定しています。 


 また、本件ソフトウエアの著作権は、前記のとおり、本件登録において著作物が最初に公表された年月日とされた平成984日時点では、原告と被告イーウェーヴの共有であり、著作権者を被告イーウェーヴのみとする本件登録は、この点で実体に反するものといえる。
 著作権法761項の第一発行年月日等の登録は、著作権者が当該著作物が最初に発行され又は公表された年月日の登録を受ける制度であり、その法律上の効果は、登録に係る年月日にその著作物が第一発行又は第一公表されたものと推定されることにあるが(同条2項)、加えて、著作権登録原簿に著作者として登録されている者が著作権者であることを公示する事実上の効果があり、この事実上の効果を期待して登録が行われることも少なくない
 共有著作物について、共有者の一部の者が単独で著作者として第一発行年月日の登録をした場合、著作権者として登録されなかったその余の共有者は、その後、著作権登録申請(著作権法77条)をしようとしても、著作権登録申請書に前登録の年月日及び登録番号を記載することが要求されていること(著作権法施行規則8条の31項、別記様式第六4〔備考〕2、同様式第三〔備考〕6)から、前登録である第一発行年月日登録の内容と齟齬するものとして拒絶されるおそれがあり、また、第三者に対する権利行使において、自己が著作権者の一人であることの立証につきより重い負担を負うことになるなど、円満な著作権の行使を事実上制約されることになる。この点において、著作権者以外の者が第一発行年月日の登録を受けた場合と変わりない。したがって、著作権の共有者は、自己が持分を有する著作物について、共有者の一部の者が自分を単独の著作者と表示して著作年月日登録をした場合には、当該他の共有者に対して、当該著作年月日登録の抹消登録手続を求めることができると解するのが相当である。
 以上によれば、原告の被告イーウェーヴに対する本件登録の抹消登録手続請求は理由がある。











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