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著作物の題号の商標権侵害性(3)
「書籍『
朝バナナダイエット』事件平成211112日東京地方裁判所(平成21()657 

【コメント】本件は、「朝バナナ(標準文字)」との商標(「指定商品」に「書籍」を含む。)につき商標権を有し、当該商標を所定の標章で題号の一部として付した「原告書籍」(タイトル:『朝バナナダイエット』)を出版・販売する出版社である原告が、「被告標章」(「朝バナナ」)を付した「被告書籍」を出版・販売する出版社である被告に対し、被告による被告書籍の出版・販売が原告の有する商標権を侵害し、あるいは、不正競争防止法211号ないし2号に該当する行為であると主張して、損害賠償等を求めた事案です。 

 商標権侵害の成否について
 
原告は,被告が被告書籍において,本件商標(「朝バナナ」)と同一又は類似の標章である被告標章(「朝バナナ」)を使用しているから,被告書籍を出版・販売する行為は,原告の有する本件商標権を侵害する行為である旨主張する。
 
被告書籍の題号は,「朝バナナダイエット成功のコツ40」であり,本件商標と同一又は類似の「朝バナナ」を含む。
 
ところで,商標の使用が商標権の侵害行為であると認められるためには,登録商標と同一又は類似の第三者の標章が,単に形式的に指定商品又はこれに類似する商品等に表示されているだけでは足りず,その商品の出所を表示し自他商品を識別する標識としての機能を果たす態様で使用されていることを要するものと解すべきである。
 
前記で認定したところによれば,被告書籍の内容は,「朝バナナダイエット」というダイエット方法を実行し,ダイエットに成功するために,著者が成功の秘訣と考える事項を40項目挙げるというものであり,題号の表示も,被告書籍に接した読者において,書籍の題号が表示されていると認識するものと考えられる箇所に,題号の表示として不自然な印象を与えるとはいえない表示を用いて記載されているといえる。
 
そうすると,被告書籍に接した読者は,「朝バナナ」を含む被告書籍の題号の表示を,被告書籍が「朝バナナダイエット」というダイエット方法を行ってダイエットに成功するための秘訣が記述された書籍であることを示す表示であると理解するものと解される。
 
なお,被告書籍の題号のうち,「朝バナナ」の文字部分は,「ダイエット成功のコツ40」の部分に比べて大きく記載されており,被告書籍の題号中当該部分が強調されているといえる。しかしながら,「朝バナナ」という用語は,朝食時にバナナと水を摂取することを基本とするダイエット方法として知られる「朝バナナダイエット」を略称した用語として一般に知られていること,両部分は統一感のあるデザイン,色調で記載されていることに照らせば,被告書籍に接した読者は,「朝バナナ」という部分を,原告の出版活動と関連させて理解するというよりは,むしろ,被告書籍が「朝バナナダイエット」に関する内容の書籍であることを強調する部分であると理解するものと考えられる。
 
以上によれば,被告書籍のカバーや表紙等における被告標章の表示は,被告標章を,単に書籍の内容を示す題号の一部として表示したものであるにすぎず,自他商品識別機能ないし出所表示機能を有する態様で使用されていると認めることはできないから,本件商標権を侵害するものであるとはいえない











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