著作権重要判例要旨[トップに戻る]







他人の著作権と抵触する引用商標に基づく無効審判請求の可否
「キューピー図柄商標登録無効審判事件@」平成201217日知的財産高等裁判所(平成20(行ケ)10139/「キューピー図柄商標登録無効審判事件A」平成220915日知的財産高等裁判所(平成22(行ケ)10093等) 

【@事件】

 
被告は,引用商標は,ローズ・オニールが創作したキューピー人形を原告が独自に図案化して商標登録出願をしたものであり,同出願の日前に生じていたローズ・オニールの著作権と抵触するものであるから,原告がこれらの引用商標を使用して無効審判請求及び審決取消訴訟の提起をすることは商標法29条に違反する旨主張する。
 
商標法29条は,「商標権者…は,指定商品…についての登録商標の使用がその使用の態様により…その商標登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触するときは,指定商品…のうち抵触する部分についてその態様により登録商標の使用をすることができない。」と規定し,商標法における(商標を含む)標章の「使用」態様については,同法2318号に限定的に列挙されているところ,無効審判請求及び審決取消訴訟の提起は,上記各号所定の行為のいずれにも該当しないから,著作権との抵触の有無を論ずるまでもなく,商標法29条に基づく被告の主張は失当である
 
なお,商標法29条は,商標権者の商標の使用を商標登録出願前の出願や発生に係る他人の権利と抵触しない範囲に限定することにより,商標権と他の権利との調整を図る規定であり,商標権者が類似する他人の商標登録の無効を請求する場合である本件に類推すべき基礎となる事情も認められない。

【A事件】

 
原告は,引用商標と原告が取得した著作権とが抵触することを前提として,商標法29条により被告が引用商標に基づき本件商標の無効審判を請求することができない旨を主張する。
 
しかしながら,商標法29条にいう「使用」は,同法23項に列挙されているものに限定されると解されるところ,ここには,無効審判の請求は挙げられていない。
 
したがって,原告の前記主張は,それ自体失当といわざるを得ない。











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