著作権重要判例要旨[トップに戻る]







会社と会社代表者個人の共同不法行為責任を認定した事例(5)
「『特高警察関係資料集成』等復刻書籍事件」平成210227日東京地方裁判所(平成18()26458等) 

【コメント】本件「第2事件」は、被告不二出版が、主位的に、著作権侵害(複製権侵害の共謀又は幇助、著作権法11312号)の不法行為に基づいて、被告A(民法709条、719条)及び原告高麗書林(民法709条、719条、会社法350条)に対し、損害賠償金等の連帯支払を求めた事案です。

[参照:会社法350条(代表者の行為についての損害賠償責任]

株式会社は、代表取締役その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 


 著作権侵害行為その1(共謀又は幇助),及び著作権侵害行為その2(著作権法11312号))について
 
上記のとおり,被告「特高警察関係資料集成」は編集著作物であり,[O]がその編集著作権を有し,原告高麗書林がこれを我が国で販売した行為は著作権法11312号に該当するが,原告高麗書林がその無断複製につき共謀又は幇助していたことを認めるに足りる証拠はない。
 
そして,前提事実のとおり,被告不二出版は,[O]から,被告「特高警察関係資料集成」に係る著作権(編集著作権を含む。)の譲渡,及び上記譲渡以前の原告高麗書林に対する著作権(編集著作権を含む。)侵害に係る損害賠償請求権の譲渡を受けている。
 
原告高麗書林は,前提事実のとおり,被告Aが昭和4210月に設立した株式会社であり,以後,平成15430日までの36年間にわたって,同人は同社の代表取締役を務めたものであるところ,…によれば,原告高麗書林は,被告Aのほかは社員数名程度の会社であり,被告Aが代表取締役を務めている間は,被告Aがその業務の全般を取り扱い,特に韓国からの書籍の輸入,販売業務においては同被告が一手に担当していたことが認められる。そうすると,被告Aは,平成15430日までの分については,著作権法11312号に該当する行為の直接の行為者として,被告不二出版に生じた損害を賠償する義務を負い,原告高麗書林は,会社法350条により,被告不二出版に生じた損害を賠償する義務を負う
 
そして,上記に掲記の証拠によれば,被告Aは,原告高麗書林の代表取締役及び取締役を退いて会長となった後は,体調のよい時のみ出社し,原告代表者Cや社員では解決できないような韓国との折衝などを不定期に行っていたことが認められる。そうすると,被告Aが代表取締役及び取締役でなくなった平成1551日以降原告高麗書林の著作権侵害行為について被告Aが責任を負う理由はない
 
平成1551日以降の分については,原告代表者Cが直接の行為者となるから,原告高麗書林は,会社法350条により,被告不二出版に生じた損害を賠償する義務を負う。
 
(略)
 
[被告Aに関して]
 
基準算定期間とした平成12年〜平成17年のうち,被告Aが代表取締役を務めていたのは約3.5年であるから,被告Aが,原告高麗書林と共同して不法行為責任を負う額を840364円と認める。
 
1440625円÷6年×3.5年=840364
 
(略)
 
以上から,原告高麗書林と被告Aは,840364円の損害賠償金及びこれに対する平成15430日以降の遅延損害金の連帯支払義務があり,原告高麗書林は,これとは別に,単独で,600261円の損害賠償金及びこれに対する平成171231日以降の遅延損害金の支払義務がある。











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