著作権重要判例要旨[トップに戻る]







執筆者(複製権侵害者)に対する出版差止等を否認した事例
遮熱材工場の写真事件平成200626日東京地方裁判所(平成19()17832 

 差止請求及び廃棄請求
 
本件写真1の著作権が原告に帰属することは,前記のとおりである。そこで,原告の被告Aに対する著作権法に基づく差止請求及び廃棄請求について判断する。
 
原告は,被告Aとエール出版社は,被告Aの執筆による本を発行するとの企画の下に,被告Aにおいて本件書籍を執筆し,エール出版社において本件書籍を発行したのであるから,被告Aは,本件写真1及び本件写真21が掲載された本件書籍の増刷,販売又は頒布による本件写真1の著作権(複製権)侵害につき,エール出版社と共同不法行為責任を負い,今後も侵害のおそれがあるから,被告Aに対し,著作権法1121項,2項に基づき,本件書籍の増刷,販売又は頒布の差止め及び未販売の本件書籍の廃棄を求めることができる旨主張する。
 
しかし,@原告も認めるとおり,本件書籍を発行したのは,エール出版社であって,被告Aではないこと,A被告Aは,エール出版社との間で本件書籍の出版契約を締結し,エール出版社に対し,本件書籍の出版を許諾したものであり,被告A自身が本件書籍を複製,頒布を行ったものではないこと,Bエール出版社作成の平成20331日付け報告書中には,本件書籍の今後の増刷分からは本件写真1及び本件写真21を削除し,今後,これらの写真を使用した形で本件書籍を増刷することはない旨の記載があること,C被告Aは,同年516日付け準備書面で,今後,エール出版社以外の出版社又は自ら,本件写真1及び本件写真21を使用した形で本件書籍が増刷することはない旨述べていることに照らすならば,被告Aが本件写真1を掲載した本件書籍を増刷,販売又は頒布を行うことにより本件写真1の著作権(複製権)を侵害するおそれはないものと認められるから,原告の上記主張は理由がない。
 
以上のとおり,原告の被告Aに対する著作権法に基づく差止請求及び廃棄請求は理由がない。











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