著作権重要判例要旨[トップに戻る]







118条が適用された事例
「漢方医学書表紙デザイン無断翻案事件」
平成220708日東京地方裁判所(平成21()23051 

【コメント】本件は、原告が、株式会社「ビーエスエル」が制作した「原告図版」(この著作権は、後に、ビーエスエルから原告に譲渡された。)を表紙に用いた書籍(ただし、ビーエスエルの名前は公表されていない。)を発行しており、被告が、「被告図版」を表紙に用いた「被告書籍」を発行していたところ、原告が、被告書籍の表紙に用いられた被告図版は原告図版のデザインを無断で複製又は翻案・改変したものであるなどと主張して、被告に対し、被告図版を表紙に用いて被告書籍を印刷・出版・販売等することの差止め、不法行為に基づく損害賠償などを求めた事案です。 

 差止請求の可否について
 被告による,被告書籍の印刷,出版,販売及び頒布行為は,上記のとおり,原告図版に係る原告ないしビーエスエルの著作権及びビーエスエルの著作者人格権を侵害するものであると認められる。
 
また,被告は,上記行為が著作権を侵害するものであることについて本件内容証明郵便により原告から警告を受けた後も,少なくとも,平成21528日に東京地方裁判所から被告書籍の販売等の中止を命ずる仮処分決定を受けるまでの間,被告書籍の販売を継続し,本件訴訟においても,原告図版は著作権法上の著作物ではないなどと主張して,著作権及び著作者人格権侵害の有無を争っていることが認められる。
 
そうすると,上記仮処分決定後に,被告が,同人の手元にあった50冊の被告書籍から被告表紙を削除し,同表紙を廃棄していることなどの事情を考慮したとしても,被告において,今後,被告図版を表紙に用いた被告書籍を印刷,出版,販売及び頒布するおそれがあると認められ,これらの行為の差止めを認める必要性があるというべきである。なお,原告図版の著作者はビーエスエルであるが,前記のとおり,原告図版は,原告書籍の表紙として公表された際,著作者の名前は公表されなかったものであり,無名の著作物であると認められるから,原告図版を表紙に用いた原告書籍の発行者である原告において,ビーエスエルのために,著作権ないし著作者人格権侵害行為の差止請求を行うことができる(著作権法1181項)。











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