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消滅時効の援用を認めた事例
社交ダンス教室無断演奏事件平成160304日名古屋高等裁判所(平成15()233 

【コメント】本件は、音楽著作物の管理等を業とする一審原告が、社交ダンス教授所(社交ダンス教室)を経営する一審被告らに対し、著作物の無許諾使用行為を理由として、著作権法112条に基づき、一審原告が管理する音楽著作物の使用差止め(同条1項)と録音物再生装置等の撤去(同条2項)を求めるとともに、一審被告らに対し、主位的には不法行為に基づき、@使用料相当損害金、Aこれに対する履行期後の日である各翌月1日から平成141130日まで民法所定の年5分の割合による既経過遅延損害金及びB弁護士費用並びに@とBの合計額に対する同年1214日から支払済みまで同割合による遅延損害金の各支払を、予備的には(主位的請求について時効の抗弁が認められることに備えて)不当利得に基づき、上記と同額の利得金及び悪意受益者の利息金の返還を求めた事案であるが、原審が一部認容の判決を言い渡したので、これに不服がある当事者双方が控訴したものです。 

 一審被告らの上記著作権侵害行為に基づく損害について検討するに,不法行為に基づく損害については,@11回当たりの使用料相当損害金,A本件各施設におけるダンス教授所の平均月間営業日数,B1日当たりの管理著作物の利用数については,いずれも,原判決の判断と同様に,以下のとおりであると認められ,その理由は,原判決の…に説示のとおりであるから,これを引用する。
 
(略)
 
そして,以上の数値をもって一審原告の損害算定の基礎とし得る侵害期間は,後記のとおり,一審被告Gを除けば,10年間であるというべきであるが,不法行為に基づく損害賠償請求については,一審被告らが,本訴提起から3年前以前の不法行為に基づく損害賠償請求権は,3年の消滅時効(民法724条)にかかっていると主張して,消滅時効を援用しており,…によれば,一審原告は,昭和528月,名古屋市内の5か所のダンス教授所において,音楽著作物のCD等の再生について調査しており,その中には,原判決別紙差止請求一覧表の施設番号2ないし4のほか,同施設番号1の本校に当たる桜山本校の実態調査が行われたこと,同施設番号1については,上記のとおり,桜山本校があるほか,笠寺分校があるし,同施設番号5についても,四日市及び津に教室が,同施設番号6についても,丸の内及び本山に教室が,同施設番号7についても,大府及び熱田に教室がある上,同施設番号7については,教師の数が22名と,他のダンス教授所に比べて,相当多数であることが認められ,これらの事実を勘案すれば,著作権等管理事業者として普段から音楽著作権の侵害行為に注意を払っていた一審原告は,本件訴訟提起の3年以上前から,一審被告らがダンス教授所において音楽著作物を許諾なく使用するという不法行為を知っていたものと推認することができる。すると,一審被告らによる時効消滅の主張,すなわち,本訴提起から3年前以前の一審原告の一審被告らに対する不法行為に基づく損害賠償請求権は,3年の消滅時効(民法724条)にかかっているから,一審被告らが,本訴において,同時効を援用することによって消滅したとする主張は理由があるというべきである。すると,不法行為に基づく損害賠償をなし得る期間は,本訴提起時から遡って3年前の時点である平成1161日以降,一審原告が終期とした平成141130日までの42か月となり,一審被告らが一審原告に支払うべき@使用料相当損害金,A確定遅延損害金,B弁護士費用の各金額は,原判決…に説示のとおりであるから,これを引用する(。)











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