著作権重要判例要旨[トップに戻る]







差止の射程範囲(6)
「石垣の写真と古代史事件」
平成90130日仙台高等裁判所(平成7()207 

 差止請求の可否
 
控訴人は、被控訴人らに対し、本件書籍2に掲載されている本件写真@の複製及びそれに関連する記述の削除を請求するところ、右書籍中への本件写真@の複製の掲載が控訴人の著作権を侵害するものであることは前記のとおりである。
 
しかしながら、右書籍中の控訴人指摘の削除箇所のうち、写真以外の文章の部分については、それ自体控訴人の写真著作権を侵害するものではないし(本件論文の著作権を侵害するものでもないことは後記のとおり)、本件写真@と不可分一体としてこれと切り離して無意味となるようなものとは認められない(他の類似の写真をもって代替することで、その意味内容を保持することは可能である)以上、右部分に関する差止請求はそもそも理由がないというべきである。
 また、…によれば、本件書籍2は平成元年に刊行された後絶版となっていて、株式会社八幡書店において増刷の予定もないし、また、右会社の代表取締役である被控訴人【B】においても本件写真@を掲載したままで増刷する意思はないことが認められる。そうすると、本件書籍2による控訴人の本件写真@に対する著作権侵害行為は既に終了し、更に侵害されるおそれもないというべきであるから、被控訴人らに対する本件書籍2の削除部分中写真の削除を求める差止請求も理由がないものといわざるを得ない。
 
なお、控訴人の右請求は、既に発行された書籍中の削除箇所指摘部分の削除を求めるものとも解する余地があるが、不特定多数の読者の手に渡り被控訴人らの支配の及ばない書籍につき当該部分を削除することは不可能を強いるものというほかないから、失当というべきである。











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