著作権重要判例要旨[トップに戻る]







カラオケ設置者(カラオケボックス経営者)の不法行為責任(3)
「カラオケボックス『ピットオート』事件」平成110824日大阪地方裁判所(平成10()9409等) 

 右の本件店舗の営業形態及び設置されている装置からすれば、本件店舗では、客は、指定された歌唱室内で、経営者が用意した特別のカラオケ用機器を使って、同じく経営者が用意した楽曲ソフトの範囲内で選曲を行い、伴奏音楽を再生させるとともに歌唱を行うものであり、しかも右再生・歌唱は時間単位の部屋の利用料金を支払う範囲で行うことができるにすぎないものと推認することができる。
 
このことからすれば、客による右再生・歌唱は、本件店舗の経営者である被告の管理の下で行われているというべきであり、しかもカラオケ歌唱室としての営業の性質上、被告はそれによって直接的に営業上の利益を収めていることは明らかであるから、著作権法の規律の観点からは本件店舗における伴奏音楽の再生及び歌唱の主体は被告であると解すべきである。
 被告は、カラオケ歌唱室においては、歌う歌わないは客の自由であり、従業員が歌唱したり、司会をしたり、装置の操作に関与したりすることはないと主張するが、本件店舗は、客にカラオケを利用させることを主たる目的として営業するものであり、そのための設備・ソフトの提供及び利用料金の支払の点で経営者の管理下に置かれているのであるから、本件店舗における客の歌唱行為が経営者から独立しているということはできない。
 
[対公衆性について]
 右のとおり、本件店舗における伴奏音楽の再生及び歌唱の主体は被告であると解すべきところ、被告にとって、本件店舗に来店する客が不特定多数であることは明らかであるから、被告による伴奏音楽の再生及び歌唱は、著作権法22条の「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的」とするものであるといえる
 
(略)
 
以上によれば、被告は、本件店舗において、カラオケ機器を使って、管理著作物を公に再生及び歌唱することによって、演奏権及び上映権を侵害するものと認められる。











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