著作権重要判例要旨[トップに戻る]







カラオケ設置者(カラオケボックス経営者)の不法行為責任(5)
「『カラオケレストランドルフィン』事件」平成120323日大阪地方裁判所(平成11()7626 

 右によれば、本件各店舗では、客は、指定された歌唱室内で、経営者が用意した特別のカラオケ用機器を使って、同じく経営者が用意した楽曲ソフトの範囲内で伴奏音楽を再生させるとともに歌唱を行うものであり、しかも右再生・歌唱は利用料金を支払う範囲で行うことができるにすぎない。
 
これらからすれば、客による右再生・歌唱は、本件各店舗の経営者の管理の下で行われているというべきであり、しかもカラオケ歌唱室としての営業の性質上、店舗経営者はそれによって直接的に営業上の利益を収めていることは明らかであるから、著作権法の規律の観点からは本件各店舗における伴奏音楽の再生及び歌唱の主体は、経営者であるというべきである。
 
被告らは、歌唱室内においては、伴奏音楽の選曲、歌唱はもっぱら客のみがなし、また、各歌唱室は防音構造となっていることから、客の独立性は高度に確保されており、歌唱のイニシアチブは客にあるというべきであって、店舗経営者は歌唱の場所及びそのための装置を提供しているにすぎないと主張するが、本件各店舗は、客にカラオケを利用させることを主たる目的として営業するものであり、そのための設備、ソフト、操作手順及び利用料金の支払の点で経営者の管理下に置かれているのであるから、本件各店舗における客の歌唱行為が経営者から独立しているということはできない
 
右のとおり、本件各店舗における伴奏音楽の再生及び歌唱の主体は経営者であると解すべきところ、経営者にとって、本件各店舗に来店する客が不特定多数であることは明らかであるから、経営者による伴奏音楽の再生及び歌唱は、著作権法22条の「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的」とするものであるということができる
 
この点についての被告らの主張は、いずれも伴奏音楽の再生及び歌唱の主体が客であることを前提とするものであり、失当である。
 
以上によれば、本件各店舗の経営者は、本件各店舗において、カラオケ機器を使って、管理著作物を公に再生及び歌唱することによって、原告の演奏権を侵害したものと認められる。
 
また、レーザーディスクカラオケにより、録画した映画の上映とともに歌詞をモニターテレビに映し伴奏音楽を再生することは、平成9年法律第89号による改正前の著作権法2119号、平成11年法律第77号による改正前の著作権法2118号(現行著作権法2117号)にいう「上映」に当たるから、本件第二店舗の経営者は、映画の著作物において複製されているその著作物を公に上映したものであり、原告の上映権を侵害する(平成11年法律第77号による改正前の著作権法262項。現行著作権法22条の2参照)。











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