著作権重要判例要旨[トップに戻る]







書体の商標法における保護可能性
「ヘルベチカ書体事件」平成130718日東京高等裁判所(平成12(行ケ)427 

 書体の創作者の権利をどのように保護すべきかについては、国際的に統一的な保護の方法が確立しておらず、その保護の態様及び程度が各国ごとに異なることは、原告も認めるところである。原告主張のように、書体自体を保護することは、立法論として考慮する余地があり、比較法的にも、そのような法制度を採用する国がある。その際、書体を著作物として著作権法により保護する制度のほか、商標法により書体を保護する制度も考えられないではない。しかしながら、本来、商標法は、商品及び役務の取引に用いられる識別標識である商標を保護することにより、これを使用する者の業務上の信用を維持することを目的とするものであって、著作権法、意匠法等のように創作者に独占的権利を付与することで創作を奨励する制度とは目的を異にする上、商標法が保護するものは商標であって書体そのものではないから、根拠となる明文の規定のないまま商標法の解釈によって書体を保護することは、法解釈として正当なものということはできない。原告は、伝統的に書体が活字の一部としてのみ存在したことを根拠として、指定商品を活字として商標を保護することにより間接的に書体の保護を図るべきであるとも主張するが、指定商品である活字との関係において、書体はその品質にほかならないから、書体を表す標章は活字等について商品出所の識別力があるということはできない。なお、原告は、本願商標が品質表示であるとすると、第三者は、本願商標を任意の活字に付して自由に販売することができるとも主張するが、このような第三者の行為は、商品の品質、内容について誤認させるような表示をする行為であって、不正競争防止法2112号(管理人注:現13号)に規定する不正競争に当たるから、現行法の下においても許容されることはない。











相談してみる

ホームに戻る