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カラオケ設置者の不法行為責任-カラオケボックスの実質的な経営者が問題となった事例A-
「管理音楽著作物債務不存在確認事件」平成130718日東京高等裁判所(平成13()787 

 本件店舗における営業の主体について
(1) 個人経営期間中の営業の主体について
 
…によれば、本件店舗についての最初の食品衛生法に基づく食品営業許可の申請及び平成21221日付けの同許可の取得が控訴人Aの名義でされたことが認められ、また、…によれば、本件店舗における個人経営期間中のカラオケボックスの営業のための銀行からの運転資金の借入れ、店舗賃貸借契約の締結、カラオケ装置のリース契約がいずれも控訴人Aの名義でされたこと、個人経営に代わる本件店舗におけるカラオケボックスの営業の主体として平成5217日に控訴人会社が設立されたところ、その代表取締役に就任したのは控訴人Aであり、同人は会社経営期間中、継続して控訴人会社の代表取締役であったことがそれぞれ認められる。
 そして、本件店舗における個人経営期間中のカラオケボックスの営業のためにされた食品営業許可の取得、銀行借入れ、店舗賃貸借契約、カラオケ装置のリース契約等が、その性質上、同営業の根幹を成す重要な事項であることは明らかであるから、これらが控訴人Aの名義でされた以上、控訴人Aにおいても、訴外Bにおいても、同営業に係る損益や各種債権債務を控訴人Aに帰属させる意思を有していたものと認めることができ、この認定を覆すに足りる事実(例えば、同営業に係る損益を訴外Bに帰属させた税務申告がされたこと等)についての主張立証はない。また、そうであるとすれば、同営業に係る重要事項についての最終的な意思決定の権限は控訴人Aにあったものと推認されるところ、これらの事実に、上記のとおり、設立された控訴人会社の代表取締役に就任したのが控訴人Aであったことを併せ考えれば、本件店舗における個人経営期間中のカラオケボックスの営業の主体は控訴人Aであったものと認められる
 
前掲…号証(いずれも控訴人Aの陳述書)には、本件店舗におけるカラオケボックスの営業を企図し、開業の準備をし、その経営に当たったのは、控訴人Aの三男である訴外Bであったが、同人は、若輩で信用力がなかったために、食品営業許可の取得、銀行借入れ、リース契約等に控訴人Aの名義を借り、あるいは、控訴人会社の名目的な代表取締役に控訴人Aが就任したものであって、控訴人A自身は、訴外Bの行う本件店舗におけるカラオケボックスの営業に口を出さなかった旨の記載がある。しかしながら、仮に、本件店舗におけるカラオケボックスの営業を発案したのが訴外Bであったとしても、あるいは、開業の準備業務や開業後の同営業に係る日常業務並びにこれに伴う限度においての同営業に関する意思決定が訴外Bに委ねられた事実が存在するとしても、それだけでは、同営業の主体に関する上記認定を左右するに足りないし、前掲…号証には、同営業に対する訴外Bの関与が上記の程度を超えるものであるとする具体的な事実の記載はなく、また、他にそのような具体的事実を認めるに足りる証拠もない。すなわち、…によれば、いずれも訴外Bの名義で、本件店舗におけるカラオケボックスの営業のために、平成61116日に駐車場用地の賃貸借契約がされ、また、同年531日にゲーム機の設置契約がされたことが認められるが、これらはいずれも個人経営期間経過後のことであるし、また、…によれば、個人経営期間中に、訴外Bが「埼玉県カラオケ事業者協会」に参加して、その役員に就任したこともあることが認められるが、単なる任意団体と推認される同協会に参加し、その役員として活動したからといって、本件店舗におけるカラオケボックスの営業に対する同人の関与が上記の程度を超えるものとすることはできない。そうすると、前掲…号証の各記載中の、本件店舗における個人経営期間中のカラオケボックスの経営に当たっていたのが、控訴人Aではなく、訴外Bであるとの部分は採用することができず、他に、本件店舗における個人経営期間中のカラオケボックスの営業の主体が控訴人Aであったとの上記認定を覆すに足りる証拠はない。
(2) 会社経営期間中の控訴人Aの共同経営の有無について
 
本件店舗における個人経営期間中のカラオケボックスの営業の主体が控訴人Aであったこと、個人経営に代わる本件店舗におけるカラオケボックスの経営主体として設立された控訴人会社の代表取締役に控訴人Aが就任したことは、上記(1)のとおりであるが、このような事実があるからといって、被控訴人主張のように、会社経営期間中の本件店舗におけるカラオケボックスの営業を控訴人Aが控訴人会社と共同して行っていたことを推認するには足りず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。











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