著作権重要判例要旨[トップに戻る]







消滅時効の援用を一部認めなかった事例
「カラオケボックス『マドンナ』事件」平成140905日大阪地方裁判所(平成13()2578 

[参考:会社法429条(役員等の第三者に対する損害賠償責任1]

役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。 


 以上によれば、被告清洲観光及び被告清洲ビルディングは、原告に対し、本件店舗における著作権侵害行為につき共同不法行為者として損害賠償責任を負うものというべきである。また、被告Aは、原告に対し、商法266条の31項(管理人注:現会社法4291項。以下同じ)に基づき、被告清洲観光及び被告清洲ビルディングの著作権侵害行為によって生じた損害につき、損害賠償責任を負うものというべきである。
 
(略)
 [消滅時効について]
 
原告の被告清洲観光に対する著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権のうち、平成13316日の本訴提起よりも3年以上前(平成10315日以前)の分について、3年の消滅時効期間が経過したことは、当裁判所に顕著である。
 前記…認定事実によれば、平成121211日、被告清洲ビルディングの従業員であったC及びBが原告の大阪支部事務所に交渉に訪れたものであり、原告は、その時点で、被告清洲ビルディングについて、本件店舗における著作権侵害による不法行為の主体であることを初めて知ったものと認められる。不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、被害者が損害及び加害者を知ったときから進行するから、被告清洲ビルディングによる著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、上記平成121211日から進行を開始したものであり、本訴提起により消滅時効は中断されたものと認められる。
 
被告清洲観光が、本訴において、上記消滅時効を援用したことは、訴訟上明らかである。
 
したがって、原告の被告清洲観光に対する著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権のうち、平成13316日の本訴提起よりも3年以上前(平成10315日以前)の分については、時効により消滅したものと認められる。
 原告の被告清洲ビルディングに対する著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権については、時効による消滅は認められない。
 
商法266条の31項所定の取締役の責任は、法が取締役の責任を加重するために特に認めたものであって、不法行為責任の性質を有するものではないから、取締役の責任について、不法行為責任に関する消滅時効の特則である民法724条は類推適用されないというべきである。被告らの指摘する最高裁判所判決は、本件のような場合に民法724条を類推適用すべき旨を判示したものとはいえない。したがって、被告Aの商法266条の31項に基づく責任の消滅時効期間について、民法724条を類推適用して3年と解すべきであるとする被告らの主張は、採用することができない。
 
したがって、本件において、原告の被告Aに対する商法266条の31項に基づく請求権について、時効による消滅は認められない。











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