著作権重要判例要旨[トップに戻る]







確定判決の既判力(3)
「百貨店顧客分析・管理ソフト委託業務契約事件」平成190425日東京地方裁判所(平成17()8240 

【コメント】本件は、破産者バディ・コミュニケーション株式会社(「バディ」)の破産管財人である原告が、バディが被告ハドソンから発注を受けて所定のコンピュータプログラムを作成し、同プログラムの著作権を有することを前提に、主位的請求として、被告ハドソンに納入した同プログラムの複製物を被告ハドソンが他社に販売又は貸与する場合には、その販売及び貸与について被告ハドソンからバディに対してロイヤリティを支払う旨の合意が成立したとして、当該合意に基づき、被告ハドソンに対し所定額のロイヤリティの支払等を求めた事案です。

 なお、バディは、被告ハドソンに対し、平成1411月、横浜地方裁判所小田原支部に委託業務料支払等請求事件(「別訴」)を提起し、平成131月から平成142月までの業務委託料(本件システム-バディと被告ハドソンとの間の請負契約に基づく顧客分析・管理システムのこと-を導入先の百貨店に合わせてカスタマイズ(仕様変更)する作業に対する対価)の支払及び立替金の返還を請求しました。別訴においては、本件システム等の他社への導入に係るロイヤリティの請求はされていません。別訴については、平成18925日、控訴審において和解が成立して終了しました。 


 主位的請求は重複する訴えの提起となるかについて
 被告らは,1つの契約(社会通念に照らして1個の契約と認められる契約)に基づく対価の請求は,対価として複数の種類があるとしても,訴訟物としては1個と考えるべきであり,少なくとも,社会通念上1個の紛争として1回の訴訟で解決を図ることが訴訟経済及び当事者間の公平に合致すると解されるところ,原告の主位的請求は,被告ハドソンがバディにカスタマイズ作業等を委託する際に,作業委託代金とは別にロイヤリティを支払う旨の合意が成立したことを前提に,その合意に基づくロイヤリティを請求するというものであり,別訴において,上記と同一の契約に基づいて,ロイヤリティを請求対象から除くことはせずに,委託業務料を請求していることからすれば,別訴と重複する訴えに該当する旨主張する。
 しかしながら,カスタマイズ作業等の委託に係る契約(カスタマイズ作業等とその対価に関する契約)と,当該カスタマイズ作業の成果である対象物をカスタマイズ先に納品したことに関するロイヤリティの支払に係る契約(当該対象物の譲渡又は貸与の許諾と,その対価としてのロイヤリティに関する契約)とは,密接に関連するものではあるが,別個に観念することができ,異なる時期に成立することもあり得るのであるから,同一の訴訟物であるとは認められず,社会通念に照らして1個の契約とまで認めることもできない。また,本件においても,原告は,両者を別個の契約として請求しており,両者を1個の契約と解すべき事情も認められない。
 
したがって,本件における主位的請求が,別訴と重複する不適法な訴えであるとはいえず,被告らの上記主張は採用することができない。











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