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将来の侵害に対する損害賠償請求の可否
パンドラTV事件」平成211113日東京地方裁判所(平成20()21902 

【コメント】本件は、音楽著作物の著作権等管理事業者である原告が、動画投稿・共有サイトを運営する被告会社(株式会社)が主体となって、そのサーバに原告の管理著作物の複製物を含む動画ファイルを蔵置し、これを各ユーザのパソコンに送信しているとして、@被告会社に対しては著作権(複製権及び公衆送信権)に基づいてそれら行為の差止めを求めるとともに、A被告会社及び被告会社代表者Aに対しては不法行為(著作権侵害)に基づいて過去の侵害に対する損害賠償金及びこれに対する遅延損害金並びに将来の侵害に対する損害賠償金の連帯支払を求めた事案です。

[参考:民事訴訟法135条(将来の給付の訴え]

将来の給付を求める訴えは、あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる。 


 原告は,被告らに対し,平成20115日から被告会社が本件サービスにおいて本件管理著作物の複製及び公衆送信を停止するまで1か月当たり504万円の割合による損害賠償金の支払を求め,これは将来における反復的給付の請求と解される。
 
しかしながら,継続的不法行為に基づき将来発生すべき損害賠償請求権については,たとえ同一態様の行為が将来も継続されることが予測される場合であっても,損害賠償請求権の成否及びその額をあらかじめ一義的に明確に認定することができず,具体的に請求権が成立したとされる時点において初めてこれを認定することができ,かつ,その場合における権利の成立要件の具備については原告においてこれを立証すべく,事情の変動を専ら被告の立証すべき新たな権利成立阻却事由の発生としてとらえてその負担を被告に課するのは不当であると考えられるようなものは,将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しないものと解するのが相当である(最高裁平成19529日第三小法廷判決,最高裁昭和561216日大法廷判決,最高裁平成5225日第一小法廷判決,最高裁平成5225日第一小法廷判決参照)
 
しかるに,本件損害賠償請求は,第三者であるユーザが投稿する本件サイトにおける日々増減する多数の動画ファイルにおける多数の本件管理著作物の利用により著作権が侵害されたことを理由とする損害賠償請求権であって,当審口頭弁論終結の日の翌日以降の分については,将来それが具体的に成立したとされる時点の事実関係に基づきその成立の有無及び内容を判断すべく,かつ,その成立要件の具備については原告においてその立証の責任を負うべき性質のものであって,このような請求権は将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しないものというべきである。
 
よって,請求の趣旨…に係る訴え中,当審口頭弁論終結日の翌日である平成21912日以降に生ずべき損害賠償金の支払を求める部分については,不適法であるとして,これを却下するのが相当である。











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