著作権重要判例要旨[トップに戻る]







差止の射程範囲(9)
「江戸浮世絵模写作品(書籍)事件」平成180323日東京地方裁判所(平成17()10790)
 

主文
1 被告は,別紙原告絵画目録2及び3の各絵画の複製物を掲載した別紙書籍目録記載の書籍を増刷し,又は販売し若しくは頒布してはならない。
2 被告は,別紙書籍目録記載の書籍の258頁における別紙原告絵画目録2及び3の各絵画を掲載した部分を廃棄せよ。
 (略)
 [被告書籍の販売等差止めの必要性について]
(1) 被告書籍の販売等差止めの必要性について
 
被告が原告絵画2及び3の著作物性を争っていることを考慮すると,将来,原告絵画2及び3の複製物を掲載したまま,被告書籍を販売し,頒布し,あるいは増刷発行するおそれがあることを否定することはできない。
 
被告書籍は,本文459頁,並びに,江戸遺跡資料,江戸遺跡参考文献及び索引120頁で構成されており,原告絵画2及び3の複製物は,被告書籍の258頁下欄に掲載されている。このように,被告書籍において,原告の著作権を侵害する部分は全体のうちの1頁にすぎない。しかし,被告書籍は,上記各頁がハードカバーで一体として製本されており,被告書籍をこのまま販売又は頒布し,あるいは増刷発行すれば,原告絵画2及び3について原告が有する著作権の侵害を不可避的に伴うものである。また,被告は,原告絵画2及び3の著作物性を争っており,被告からは,本件口頭弁論終結時までに,被告書籍中,上記頁を削除して被告書籍を販売又は頒布し,あるいは増刷発行する予定であるなどの主張,立証も全くない。
 以上からすれば,被告は,原告絵画2及び3の複製物を掲載した被告書籍を販売又は頒布し,あるいは増刷発行するおそれがあり,この被告の行為は,不可避的に原告の著作権を侵害するものであるから,同被告書籍の販売,頒布又は増刷発行の差止めを求める原告の請求は理由がある。なお,原告絵画2及び3の複製物を掲載した部分を廃棄した被告書籍については,その増刷,販売,頒布の差止めを認める理由はないから,原告の差止め請求は,主文第1項掲記の限度で認めることとする。
(2) 在庫の廃棄請求について
 
被告書籍は,本文459頁及び索引そのほか120頁で構成されており,原告絵画2及び3の複製物が被告書籍の258頁下欄に掲載されていることは上記のとおりである。原告は,被告書籍全体の廃棄を求めているものの,原告の著作権を侵害するのは上記頁だけであるから,著作権侵害行為の停止又は予防に必要な措置としては,被告書籍の上記頁中,原告絵画2及び3を複製して掲載した部分の廃棄を認めることで十分であり,被告書籍全体の廃棄を認める必要はない











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