著作権重要判例要旨[トップに戻る]







確認の利益(7)
「『約束の場所』歌詞事件」平成201226日東京地方裁判所(平成19()4156 

【コメント】本件は、「原告歌詞」を創作した原告が、被告が創作した別紙文章目録記載の文章について、被告が、別紙テレビ番組目録記載のテレビ番組(同テレビ番組中の被告と原告との間の紛争を扱った部分を以下「本件各テレビ番組」という。)において、原告歌詞中にある「原告表現」が被告表現を盗作したものである等と原告の名誉を毀損する発言をしたと主張して、被告に対し、原告が原告歌詞の実演をコンピュータのハードディスクに蔵置する方法により原告歌詞の実演の原盤を完成させた行為について、被告が被告表現についての複製権、翻案権及び同一性保持権に基づく損害賠償請求権を有していないことの確認、名誉毀損の不法行為に基づく損害金の支払等を求めた事案です。 

 著作権侵害,著作者人格権侵害に基づく損害賠償請求権の不存在の確認の訴えの確認の利益の有無について
 原告は,被告に対して,平成18810日に原告歌詞をトラック・ダウンする方法でコンピュータのハードウェアに蔵置したことについて,被告の,原告に対する,別紙文章目録記載の文章の著作権(複製権,翻案権)及び同一性保持権に基づく損害賠償請求権がないことの確認を求めているが,被告は,平成20829日の第9回弁論準備手続期日において,上記の各請求権を放棄する旨の意思表示をした。そして,被告の上記意思表示は,債務の免除の意思表示と解され,免除の効果は,権利者の一方的な意思表示によって生じるものといえる。そうすると,被告の上記各請求権は,仮に,その発生が認められたとしても,上記の意思表示により消滅し,原告が,将来,被告から上記の各権利を行使されるおそれは存在しない(なお,被告が,今後,上記各権利を行使するおそれがあることを認めるに足る証拠もない。)。
 したがって,原告の上記の請求権が存在しないことの確認の訴えは,確認の利益が存在しないことが明らかである
 以上のことからすると,原告の上記訴えは,不適法な訴えとして,却下されるべきである。












相談してみる

ホームに戻る