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商事消滅時効の成否
「円谷プロ国際契約事件B」平成220930日東京地方裁判所(平成21()6194 

[参考:商法522条(商事消滅時効]

商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。

[参考:民法167条(債権等の消滅時効)]

1 債権は、10年間行使しないときは、消滅する。
2 債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときは、消滅する。 


 商事消滅時効の成否について
(1) 債務不履行に基づく損害賠償請求について
 被告は,平成21626日の本件第25回弁論準備手続期日において,被参加事件の訴えが提起された平成18518日から5年をさかのぼった平成13517日以前に生じた本件損害賠償請求権について,商事消滅時効を援用するとの意思表示をした。
 契約上の債務の不履行を原因とする損害賠償債務は,契約上の債務がその態様を変じたにすぎないものであるから,当該契約が商行為たる性格を有するのであれば,上記損害賠償債務も,その性格を同じくし,商行為によって生じた債務(商法514条)に当たるといえる(最高裁判所昭和47525日第1小法廷判決参照。)。
 したがって,本件損害賠償請求権は商行為から生じたものといえるから,本件損害賠償請求権のうち,平成8517日から平成13517日までに生じたもの(本件ライセンス契約@の締結及び平成13517日までに同契約を更新した行為を理由とする損害賠償請求権)については,商事消滅時効が成立する
 これに対し,参加人は,被告の債務不履行の態様は社会的に許される範囲を著しく逸脱するものであるから,被告が商事消滅時効を援用することは信義則に反し権利濫用に該当すると主張する。
 しかしながら,被告が本件ライセンス契約@を締結及び更新した行為は,本件契約の債務不履行に該当することは格別,これを超えて,かかる債務不履行の態様が,社会的に許される範囲を逸脱し,被告において商事消滅時効を援用することが,信義則に反し,権利濫用に該当するとは到底認めることができない。参加人の上記主張は理由がない。
(2) 不当利得返還請求について
 被告は,平成22420日の本件第31回弁論準備手続期日において,本件不当利得返還請求権について商事消滅時効を援用するとの意思表示をした。
 しかしながら,商事消滅時効について規定する商法522条が適用又は類推適用されるべき債権は,商行為から生じたもの又はこれに準ずるものでなければならない。本件不当利得返還請求権は,商行為たる本件ライセンス契約@に基づき被告が取得したライセンス料の返還に係るものではあっても,被告が法律上の原因なく本件独占的利用権者である脱退原告に対するライセンス料相当額の支払を免れたために,法律の規定によって発生する債権であり,商事取引関係の迅速な解決という要請を考慮すべき合理的理由に乏しいから,商行為から生じた債権に準ずるものということはできない
 したがって,本件不当利得返還請求権の消滅時効期間は,民事上の一般債権として,民法1671項により10年と解するのが相当であり(最高裁判所昭和55124日第1小法廷判決参照。),これに反する被告の主張は理由がない。
(3) 本件損害賠償請求と本件不当利得返還請求の関係
 
参加人は,本件訴訟において,本件損害賠償請求と本件不当利得返還請求を選択的に請求しているところ,上記(1)のとおり平成13517日までに生じた本件損害賠償請求権については商事消滅時効が成立するため,本件不当利得返還請求権に基づく認容額の方が,本件損害賠償請求権に基づく請求より高額であると認められるから,不当利得返還請求権に基づく請求が認容されるべきである。











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