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プログラムの著作物の侵害性が問題となった事例(9)
「株価チャートソフト『NEW増田足』事件」平成230128日東京地方裁判所(平成20()11762 

 複製又は翻案の成否について
ア 原告プログラムと被告プログラムの対比について
 原告プログラムと被告プログラムのうち,MainForm.csの原告ソースコードとMainForm.csの被告ソースコードとの間に,原告が別紙3に基づいて主張する程度の類似性があることは,当事者間に争いがない。
 すなわち,これを前提とすれば,MainForm.csの原告ソースコードとMainForm.csの被告ソースコードとは,開発ツールによって自動生成されたことが明らかな部分を除いた約300に及ぶ関数(被告ソースコードでは321,原告ソースコードでは298)のうち,103の関数(別紙3の「類似度合」欄に◎の印が付されたもの)においては全く同一の記述内容であり,148の関数(別紙3の「類似度合」欄に○又は□の印が付されたもの)においては関数等の名称に相違が見られるものの,当該関数内に記述された処理手順は同一であり,47の関数(別紙3の「類似度合」欄に◇の印が付されたもの)においてはソースコードの記述に一部相違が見られるものの,処理手順等に大きな相違はないのであって,他方,両者で全く異なる表現といえる部分が,23の関数(別紙3の「類似度合」欄に×の印が付されたもの)において見られるが,その量的な割合は,約300の関数に係るソースコードのうちの約5パーセントにとどまるものということができる。
 さらに,上記以外の原告プログラムのソースコードと被告プログラムのソースコードとの間についても,原告が別紙4に基づいて主張する程度の類似性があること,すなわち,関数等の名称に相違が見られるものの,当該関数内に記述された処理手順は同一であることは,当事者間に争いがない。
 以上によれば,原告プログラムと被告プログラムとは,そのソースコードの記述内容の大部分を共通にするものであり,両者の間には,プログラムとしての表現において,実質的な同一性ないし類似性が認められるものといえる。
イ 依拠性について
 被告らは,「被告プログラムは,被告A1が,原告プログラムを開発した経験を参考にして開発したものであり,同一人が開発していることから両プログラムに類似する点があることは事実であるものの,被告プログラムが原告プログラムに依拠して作成されたものであるとはいえない」として,被告A1による被告プログラムの作成が,原告プログラムのソースコードのデータを基にして,これに改変を加えたものではなく,被告A1の経験に基づいて新たに作成されたものである旨を主張し,被告A1の供述中にも,これに沿う趣旨の供述部分がある。
 (略)
 以上を総合すれば,被告A1の上記供述は,措信し難いものというべきであり,被告A1が,原告プログラムのソースコードのデータを基として,これに改変を加えることによって被告プログラムを作成したことは,優にこれを認めることができる。
ウ 以上によれば,被告A1は,原告プログラムに依拠して被告プログラムを作成したものであり,かつ,プログラムとしての表現において,原告プログラムと被告プログラムとは実質的に同一ないし類似するといえるものであるから,被告プログラムは,原告プログラムを複製又は翻案したものであると認められる。











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