著作権重要判例要旨[トップに戻る]







「謝罪広告」の掲載の可否(3)
「株価チャートソフト『NEW増田足』事件」平成230128日東京地方裁判所(平成20()11762 

 謝罪広告請求の可否について
 原告は,被告らによる著作権侵害によって原告の営業上の信用が毀損された旨及び著作者人格権侵害によって原告の名誉,声望が毀損された旨を主張し,これらの回復のためには,被告らによる謝罪広告が必要であるとして,被告らに対し,著作権法115条又は民法723条に基づく謝罪広告の請求をする。
 しかしながら,まず,原告が,被告らによる被告ソフトの制作及びその公衆送信等によって原告の営業上の信用が毀損されたことを示す具体的な事実として主張するのは,原告の顧客から,原告ソフトと同じものが廉価にて販売されているなどの苦情や問い合わせが寄せられるようになったとの事実であるところ,この点については,原告の従業員であるA3が,「どちらが本物なのかという問い合わせが本当に多くありました」などと抽象的に述べるのみであり,どのような内容の苦情等が,どの程度の期間にわたって,どの程度の頻度であったのかなどの具体的な状況が明らかではなく,結局のところ,原告に現実にどの程度の信用毀損の被害が生じたのかについては,証拠上これを明確に認定することはできない。
 また,原告は,被告らの著作者人格権(同一性保持権,氏名表示権)の侵害によって原告の名誉,声望が毀損された旨も主張するが,いかなる内容の名誉,声望が,どのように,どの程度侵害されたのかについては,明確な主張も立証もない。
 以上を前提とすれば,本件においては,原告が主張する営業上の信用あるいは名誉,声望を回復するために,金銭賠償だけでは足りず,被告らによる謝罪広告までもが必要であることについて,十分な主張,立証があるとはいえず,謝罪広告を命ずべき必要性を認めることはできない
 
したがって,被告らに対し,著作権法115条又は民法723条に基づいて謝罪広告を求める原告の請求は理由がない。











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